美容室でキレイに髪の毛を染めたのに、せっかく染めたヘアカラーがすぐに色落ちしてしまったら嫌ですよね?
ヘアカラーの染料の濃さやダメージレベルによって、色持ちの期間は異なりますが、おおよそ3週間から5週間ほどで、染料が抜けて、髪色が明るくなってきます。
ただし、同じ処方、同じ髪質・ダメージレベルでも、自宅での手入れの仕方によって、色持ちはだいぶ変わります。
この記事では、ヘアカラーの色持ちを良くする方法や抜けにくいカラー(明るさや色味)について説明していきますね。
Table of Contents
髪の毛がそまるメカニズムは?
ここでは、おしゃれ染めや白髪染めなどに幅広く使用されている、酸化染毛剤(アルカリカラー)について説明します。
【ブリーチ作用】メラニン色素を分解
毛髪の構造は、外側から、キューティクル、コルテックス、メデュラ、と3層に分けることができますが、コルテックスに含まれるメラニン色素を分解し、脱色します。
日本人は、こげ茶や黒といった濃い色素(ユーメラニン)が多いため、幅広い色相表現をしようと思うと、髪の毛を明るくブリーチすることが必要不可欠です。
白髪染めなどの暗めのヘアカラーにもブリーチ成分は少なからず含まれています。
毛髪内で酸化させて発色・定着させる
ヘアカラーは、もともとのメラニン色素を分解して明るくするとともに、毛髪表面や毛髪内部で、染料を酸化重合させて、発色・定着させます。
酸化重合とは、分子化合物(染料)を酸化結合させて、分子量の大きな化合物にすることです。
狭いキューティクルの隙間に入り込んだ小さな分子化合物が、毛髪内部で酸化重合する事で、キューティクルから流れ出にくい大きな化合物に変化します。
そのため、イオンの力で付着させるヘアマニキュアに比べて定着力が強く、長い色持ちを実現させています。
ヘアカラーの色素はなぜ落ちるの?
ヘアカラーが色落ちする理由は大きく分けるとこの2つになります。
- シャンプーなどで染料が流れ出てしまう
- 紫外線や熱などで色素が破壊されてしまう
ヘアカラーは、もともとの髪色や色素の濃さによって持続期間が異なりますが、おおよそ色が抜けるメカニズムは上記の通りです。
染料が流れ出てしまう
ヘアカラーは、キューティクルの隙間から、染料を毛髪内部に浸透させ、毛髪内部で酸化重合させることで定着させると説明しましたが、結合させて分子を大きくしたといっても、キューティクルの隙間から流れ出てしまうことがあります。
例えば、シャンプーでも、美容室専売品ではなく、市販のシャンプーなどの場合、洗浄力の強いものもあるため、頭皮の汚れや皮脂とともに、ヘアカラーの色素も洗い流してしまいます。
また、髪の毛が濡れているときは、キューティクルが開いている状態なので、髪を濡れたままほったらかしておくと、キューティクルが開いている隙間からどんどんと色素が流れて出ていってしまいます。
パーマや縮毛矯正の薬剤で色が抜ける
ヘアカラーはアルカリ剤の力をうまく活用する事でカラーを発色させますが、パーマや縮毛矯正も同じくアルカリの力を使っています。
そのためアルカリの影響でキューティクルが開いてしまうため、カラーの色素が抜けてしまいます。
アイロンなどの熱の影響で色素が破壊される
カラーの色素は、アイロンの熱などで破壊・分解されてしまう恐れがあります。
特にブルー系(寒色系)のヘアカラーはアイロンの熱の影響を受けやすいと言われています。
ブルー系(寒色系)の色素が抜けやすい理由としては、ブルー系の色素は分子が大きく、キューティクルの隙間から、毛髪内部へ浸透しにくく、キューティクル付近や毛髪表面で発色することから、アイロンの熱の影響を受けやすいためです。
紫外線で色素が壊される
紫外線は、キューティクルを通り抜け、毛髪内部まで届いてメラニン色素に影響を与えます。
メラニン色素は、紫外線などのダメージから髪の毛を守る効果がありますが、紫外線の量が多くなりすぎると、メラニン色素では吸収しきれず、紫外線がメラニン色素を分解してしまいます。
これと同じようなことが染料にも起こり、紫外線が強くなりすぎると、ヘアカラーの色素にも悪影響を与えてしまいます。
ヘアカラーをしている髪の毛は、健康な毛髪よりもメラニン色素が少なく、紫外線の影響を受けやすいため、キューティクルが傷つきやすくなってしまいます。
キューティクルがダメージする事で、髪本来のバリア機能が失われて、さらに色落ちを早めてしまいます。
ヘアカラーの色持ちを良くする5つの方法
それではここからは、ヘアカラーの色持ちを良くすること方法を5つに集約してお伝えします。
- シャンプーは洗浄力の弱いものを使う
- シャンプーした後はすぐに髪を乾かす
- パーマや縮毛矯正は避ける
- 紫外線を浴びすぎない
- プールや海を避ける
シャンプーは洗浄力の弱いものを選ぶ
シャンプーには、高級アルコール系、アミノ酸系、ベタイン系、タウリン系、など洗浄成分によって洗浄力などは異なります。
そのため、なるべく洗浄力の弱い(穏やかな)シャンプーを使用するようにしましょう。
アミノ酸系やベタイン系は、洗浄力が穏やかで、色持ちを良くする可能性があるので、参考にしてください。
また、シャンプー時の温度も重要で、40℃を超える温度は色落ちしやすく、38℃程度のぬるめのお湯がおすすめです。
シャンプーした後はすぐに髪を乾かす
髪の毛が濡れたらすぐに乾かす。
単純なことですが、これがとても重要です。
栄養素が水に溶けて抜けてしまうのも防ぐ効果があるので、色持ちだけでなく、ダメージケアとしてもおすすめなので、洗ったらすぐに乾かすようにしましょう。
2週間はパーマや縮毛矯正はしない
カラー剤と同じく、アルカリの成分で色落ちしてしまう可能性があるので、カラーをした直後のパーマや縮毛矯正は避けましょう。
あくまで目安ですが、2週間程度でカラーも結構色落ちしているので、2週間ほどして、カラーの変化が少なくなってから施術を受けるのをお勧めします。
紫外線を浴びすぎない
紫外線には、カラーの色素を壊してしまう可能性があるため、長時間紫外線を浴びないようにしましょう。
また、肌と同じように髪の毛に使える紫外線保護のトリートメントやスタイリング剤があるので、紫外線対策もお忘れなく。
プールや海を避ける
最後になりますが、カラーの色素は、プールの水や海水によって色落ちする可能性があります。
プールで色落ちする理由は、プールの水に含まれる塩素の影響だと言われています。
海水や塩素を含んだプールの水は、アルカリ性に傾いていることが多く、キューティクルを開いてしまうため、色落ちしやすいと言われています。
プールや海に入ったあとは、シャンプーをしっかりして、アルカリを除去(中和)することで、カラーの色落ちを和らげることができます。
ここまで、カラーの色落ちについてまとめてみました。
是非お家でのケアの参考にしてみてください。