みなさんが何気なく使っているシャンプー。
洗浄成分や配合されている成分について、考えたことはありますか?
ボトルの裏面に記載されている全成分表は、聞き慣れない成分がびっしり書かれているので、普段気に留めない方も多いのではないでしょうか?
しかし、全成分表には配合量順に成分が記載されていて、その成分の配合によって商品の品質が決まってくるのです。
『そんなの見ても分からないよ!』という方も多いと思いますが、ちょっとした「コツ」をつかめば、自分にぴったりのシャンプーも分かるようになります。
実は…シャンプーの品質にとって特に重要なのが「洗浄成分」なのです。
全成分表の中身は、水と洗浄成分だけでおおよそ8〜9割を占めるといわれています!最近ではノンシリコンや保湿成分など、わずかに配合された成分に目が向いてしまい、洗浄成分でシャンプーを選べていない人がほとんどです。
正しいシャンプーを選ぶ参考になるように、それぞれの特徴をまとめていきますね。
界面活性剤は水分と油分などの混じり合わない物質同士を混ざりやすくする作用があります。
代表的なものとして石鹸(脂肪酸塩)があげられます。また、洗剤の他にも、医薬品、化粧品、食品などの成分としても広く使われています。
洗浄の仕組みは下記の通りです。
1.界面活性剤が油汚れに浸透吸着する。
2.油汚れを水に引き出す。
3.油汚れを取り囲み、水中に分散。すすげば、洗いながされる。
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そもそも、シャンプーの役割とは?
シャンプーは、髪の毛についた汚れを落とすだけでなく「頭皮を清浄に保つ」という大切な役割があります。
頭皮は汗腺が多く毛髪が密集しているため、汗や皮脂が多く分泌されて蒸れやすい場所です。
さらには、陽に当たったり、紫外線などの影響も受けやすいです。
汚れを放置しておくと、紫外線で皮脂が酸化し、頭皮環境に悪影響を与えます。
フケ、かゆみなどのトラブルが起こらないように、清潔な頭皮を維持するためにも、シャンプーでの洗浄はとても重要なのです。
しかし、頭皮の皮脂を取りすぎるのも危険。
頭皮は乾燥するとバリア機能が低下してしまうため、炎症やかゆみが起きやすくなります。
健やかな頭皮と毛髪を保つためには汚れを取るだけでなく、適度に皮脂を残せるシャンプーを選ぶことが大切です。
シャンプーに含まれる洗浄成分(界面活性剤)の種類
分類 | 種類 | 系統 | 成分名称の例 |
陰イオン界面活性剤 | アミノ酸系 | グルタミン酸系 | ココイルグルタミン酸Na |
ココイルグルタミン酸2Na | |||
アラニン系 | ココイルメチルアラニンNa | ||
ラウロイルメチルアラニンNa | |||
グリシン系 | ココイルグリシンK | ||
サルコシン系 | ラウロイルサルコシンNa | ||
ラウロイルサルコシンTEA | |||
アスパラギン酸系 | ラウロイルアスパラギン酸Na | ||
加水分解タンパク系 | ココイル加水分解コラーゲンNa | ||
ラウロイル加水分解シルクNa | |||
タウリン系 | ココイルメチルタウリンNa | ||
石けん系 | 石けん素地 | ||
カリ石けん素地 | |||
エーテルカルボン酸系 | ラウレス-4カルボン酸Na | ||
スルホコハク酸系 | スルホコハク酸ラウレス2Na | ||
スルホコハク酸(C12-14)パレス-2Na | |||
高級アルコール系 | 硫酸系 | ラウリル硫酸Na | |
ラウレス硫酸Na | |||
オレフィン酸系 | オレフィン(C14-16)スルホン酸Na | ||
両性イオン界面活性剤 | ベタイン系 | ラウラミドプロピルベタイン | |
コカミドプロピルベタイン | |||
イミダゾリン系 | ココアンホ酢酸Na |
シャンプーの含まれる洗浄成分はかなりの種類があるので、ここでは美容室専売品やドラッグストアなどで買える市販品に多く含まれているいくつかを紹介していきますね。
高級アルコール系 洗浄剤
高級アルコール系洗浄剤とは「石油系・硫酸系 洗浄剤」ともいわれ、ラウリル硫酸Na・ラウレス硫酸Naなど、成分名に硫酸と入るものをさします。
洗浄力が強く、泡立ちが良い、そのうえ原価が安い、ということもあり、一般的なシャンプーの多くは、硫酸系洗浄剤が使用されています。
ただ敏感肌の方は、刺激に感じることも多いようです。
※高級アルコールの高級とは「高価」という意味ではなく、成分表記の分類上の表記になります。
アミノ酸系 洗浄剤
アミノ酸から作られた洗浄成分で、やわらかな洗浄力で髪と地肌に適度な潤い残して洗い上げます。
髪の毛はアミノ酸(たんぱく質)で構成されているので、ダメージをケアしながら洗浄できます。
アミノ酸の種類によって、しっとり、ふんわりなど質感が異なり、洗浄力にも違いがあるため、アミノ酸系洗浄成分には、弱い洗浄成分〜強めの洗浄成分まであります。
グルタミン酸系
低刺激でやさしい洗浄力。
泡立ちは控えめで、しっとりした仕上がり。
アラニン系
適度な洗浄力で低刺激。
泡立ちは控えめで、サラサラとした仕上がり。
グリシン系
しっかりとした洗浄力でスッキリ落とす。
泡立ちがよく、さっぱりとした仕上がり。
ベタイン系
ベタインはもともと、砂糖大根(テンサイ、ビート)のアミノ酸系保湿成分が由来です。
ベビーシャンプーやダメージケア用シャンプーなどに多く利用され、他の界面活性剤と一緒に配合することで、洗浄力をマイルドにして、刺激性を和らげてくれます。
ベタイン系の界面活性剤は、植物由来のため環境負荷も少ないといわれ注目されています。
石けん系
動物や植物の脂をアルカリ(苛性ソーダ)で反応させてつくる、アルカリ性の界面活性剤です。
洗浄力は強めですが、頭皮への刺激は少なく、さっぱりとした洗い上がりです。
ただ、アルカリ性のため、髪の毛のパサツキやきしみを感じやすいです。
タウリン系
タウリンを原材料にしてつくられた洗浄成分で、マイルドな洗浄力で低刺激なシャンプーです。
頭皮の肌タイプ別、シャンプーの選び方
自分に合うシャンプーは人それぞれ。
毛髪の状況は、カラーリングやパーマによるダメージの有無で変わるので、今回は、頭皮の肌タイプ別に、シャンプーの選び方をまとめます。
乾燥肌タイプにおすすめのシャンプー
シャンプー後に頭皮につっぱり感を感じる人は、乾燥肌の可能性があります。
洗浄成分が強すぎるものだと、頭皮の乾燥を悪化させる可能性があるため、洗浄力と刺激が控えめな「アミノ酸系」シャンプーがおすすめです。
さらに保湿成分が配合されているシャンプーなら、なお良いです。
脂性肌タイプにおすすめのシャンプー
シャンプーをした後も髪や頭皮のベタつきが気になるという人は、頭皮環境をよくチェックする必要があります。
ただ単に皮脂の分泌が多いだけなら洗浄力の強い「高級アルコール系」シャンプーでも構いませんが、フケやかゆみなどの頭皮トラブルも併発している場合は、洗浄力は強く、刺激が弱い「せっけん系」シャンプーがおすすめです。
敏感肌タイプにおすすめのシャンプー
ピリピリ感やかゆみを感じやすい敏感肌の人は、刺激の強いシャンプーは避けましょう。
「せっけん系」や「アミノ酸系」など、肌に刺激の少ないシャンプーで、余計なシリコンなどの質感調整成分や保湿成分が含まれていないものがおすすめ。
髪の指通りが気になる場合は、シャンプーではなくトリートメントでケアしましょう。
最後にまとめ
薬事法により化粧品には「全成分表示」が義務づけられています。
基本的なルールとして、配合量の多い順にすベて記載されています。
「水、界面活性剤①,界面活性剤②, … 」というように、書かれています。
多くのシャンプーは、複数の界面活性剤を組み合わせて製造されているため、配合量の多い2番目くらいまでの界面活性剤の特徴を参考に選んでみると良いです。
この記事では、配合成分をもとにしてシャンプーの選び方をまとめてみました。
ぜひ、自分に合ったシャンプー選びの参考にしてみて下さいね。
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