シャンプーを選ぶとき、「さらさらタイプ」と「しっとりタイプ」で迷ったことはありませんか?
髪がパサつくから、しっとりタイプ。
髪が細くてぺたんこになるから、さらさらタイプ。
そんなふうに選んでいる方も多いと思います。
もちろん、それもひとつの選び方です。
でも美容師としては、もう少し確認したいことがあります。
例えば、同じ「パサつく髪」でも、細くてふわふわ広がる髪と、太く硬くてゴワつく髪では、必要な質感が違います。
そして、しっとりするシャンプーが必ずしもダメージ補修に優れているわけでもありません。
今回は、シャンプーの「さらさら」と「しっとり」の違いと、髪質に合わせた選び方を美容師目線で解説します。
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しっとりとさらさらの違いとは?

シャンプーのパッケージには、「しっとり」「さらさら」「モイスト」「スムース」など、仕上がりを表す言葉がよく使われています。
大まかにいうと、
- さらさらタイプ:軽さ、指通り、ふんわり感を重視した仕上がり
- しっとりタイプ:まとまり、落ち着き、しなやかさを重視した仕上がり
という違いがあります。
ただし、これは仕上がりの傾向を表すもので、すべてのメーカーに共通する厳密な分類ではありません。
同じ「しっとり」でも、毛先がやわらかくなめらかになるものもあれば、重さが出て広がりを抑えるものもあります。
僕も美容室で「しっとりしたい」と相談されたら、まずそこを確認します。
手触りをなめらかにしたいのか。それとも、髪に重さを出して収まりをよくしたいのか。
この違いだけでも、選ぶ商品は変わってきます。
シャンプーの成分は大きく分けると3つ
シャンプーにはさまざまな成分が配合されていますが、役割を大まかに整理すると次の3つに分けられます。
① 洗浄成分
頭皮の皮脂や髪についた汚れ、スタイリング剤などを洗い流すための成分です。
洗浄成分の種類や組み合わせによって、洗い上がりの感触も変わります。
② 毛髪補修・保湿成分
髪の状態に合わせて、うるおいや手触りを整えるために配合される成分です。
ダメージ毛向け、カラー毛向け、エイジング毛向けなど、商品によって着目するポイントが違います。
③ 質感調整成分
シリコーン、油分、ポリマーなど、指通りやなめらかさ、まとまりに関わる成分です。
ただし、実際の仕上がりはひとつの成分だけで決まりません。
洗浄成分との組み合わせや配合バランス、トリートメントとの相性によっても変わります。
つまり、しっとりするから補修力が高い、さらさらだからケア力が弱い、というわけではないんです。
実はシャンプーはさらさらがおすすめ?
以前は僕も、シャンプーは軽めにして、トリートメントでしっとり感を調整する選び方をおすすめすることがありました。
今でも、細毛や軟毛で根元がぺたんこになりやすい方には、この考え方が合うことがあります。
ただ、すべての髪にさらさらタイプがいいとは思っていません。
太く硬く、広がりやすい髪なら、シャンプーの段階からまとまりを意識したほうが扱いやすい場合もあります。
また、ブリーチや縮毛矯正などの履歴がある髪では、単純な軽さ・重さだけでなく、ダメージに合わせたケアも考えたいところです。
シャンプーの基本的な役割は洗うことですが、最近の商品は洗浄だけでなく、洗っている間の摩擦や仕上がりの質感にも配慮して設計されています。
さらさらとしっとりのどちらが優れているかではなく、今の髪にどちらが合っているか。
僕はそのように考えています。
質感を変化させたいならトリートメントも大切
シャンプーだけでなく、トリートメントも仕上がりを左右します。
例えば、根元はふんわりさせたいけれど、毛先はしっとりまとめたい場合。
シャンプーは軽めのものを選び、毛先にはまとまりを重視したトリートメントを使う方法もあります。
反対に、太く硬くて広がりやすい髪なら、シャンプーとトリートメントの両方でまとまりを意識することもあります。
ただし、しっとりしたものを重ねれば重ねるほどいいわけではありません。
髪質によっては、重さやベタつきが気になることもあります。
大切なのは、シャンプーとトリートメントをセットで考えながら、欲しい質感に合わせて調整することです。
最後に何をつけるかで質感は変わる
お風呂上がりのアウトバストリートメントも、仕上がりに影響します。
ヘアオイル、ヘアミルク、ヘアミストなど、それぞれに特徴があります。
ただし、オイルなら必ずしっとり、ミストなら必ずさらさらというわけではありません。
同じオイルでも軽いものと重いものがありますし、ミルクでも仕上がりはさまざまです。
シャンプーとトリートメントで整えた髪に、最後の質感調整として何を使うか。
そこまで考えると、より自分の好みに近づけやすくなります。
→ オイル・ミルク・ミストはどれが正解?髪質と季節で選ぶ洗い流さないトリートメント
しっとりさせる質感調整成分とは?
「しっとり」「さらさら」の違いには、シリコーンや油分、ポリマーなどの質感調整成分も関わっています。
ただし、成分表示を見て特定の成分が入っているかどうかだけで、仕上がりを判断するのは難しいところです。
例えば、シリコーンが入っているから重たい、ノンシリコンだから軽い、という単純なものではありません。
シリコーンの種類によって質感が異なる
シリコーンは、髪の表面をなめらかに整え、摩擦を抑えたり、指通りをよくしたりする目的で使われる成分です。
代表的なものには、ジメチコンやジメチコノールなどがあります。
シリコーンにもさまざまな種類があり、分子の大きさや構造、配合の仕方によって使用感が変わります。
そのため、シリコーン配合だから必ずしっとりする、というわけではありません。
また、シリコーン自体を悪い成分と考える必要もありません。
僕は、シリコーンの有無だけでシャンプーの良し悪しを判断するより、髪に合う仕上がりになっているかを大切にしています。
植物性の油分ならベタつかない?
ヘアケア商品には、植物由来のオイルやエステル油、炭化水素系の油性成分など、さまざまな油分が使われています。
植物由来と聞くと、髪や頭皮にやさしく、ベタつきにくいイメージがあるかもしれません。
でも、植物性だから必ず軽い、石油由来だから必ず重い、というわけではありません。
実際の使用感は、油分の種類や配合量、ほかの成分との組み合わせによって変わります。
オーガニックやノンシリコンという言葉だけで選ぶよりも、メーカーがどんな髪質や仕上がりを想定しているのかを確認したほうが、商品を絞り込みやすいと思います。
あなたの髪質に合うのはどっちのタイプ?
ここまで成分や仕上がりの違いを説明してきました。
では、実際に自分の髪にはどちらが合うのでしょうか。
僕が美容室でシャンプーを考えるときは、髪の太さや硬さ、うねり、ダメージ履歴、そして希望する仕上がりを確認します。
そのうえで、さらさら寄りにするのか、しっとり寄りにするのかを考えます。
しっとりタイプのシャンプーが合う人
しっとりタイプが候補になりやすいのは、次のような方です。
- 髪が太く硬く、ゴワつきやすい
- くせやうねりで広がりやすい
- 毛先のまとまりが欲しい
- ボリュームを抑えて落ち着かせたい
こうした髪質では、しっとりタイプのシャンプーやトリートメントが扱いやすさにつながる場合があります。
ただし、同じパサつきでも、ブリーチによるダメージなのか、くせによる広がりなのかでは選び方が違います。
特にブリーチ毛の場合は、単純に重たいものを選ぶより、ブリーチによるダメージに着目した商品も候補にしたいところです。
また、しっとり系が合いやすい髪でも、重たくなりすぎる場合は調整が必要です。
さらさらタイプのシャンプーが合う人
さらさらタイプが候補になりやすいのは、次のような方です。
- 髪が細く軟らかい
- 根元がぺたんこになりやすい
- ふんわりしたスタイルが好き
- 重たい仕上がりが苦手
- 毛先の指通りをよくしながら軽さを残したい
特に大人女性の場合、年齢とともに髪が細くなったり、ハリ・コシが気になったりすることがあります。
そんな髪に、パサつくからといって重たいしっとりタイプを使うと、トップのボリュームまで落ちてしまう場合があります。
だから僕なら、パサつきはケアしたいけれど、根元のふんわり感は残したいという希望も大切にします。
ただし、細毛だから必ずさらさらタイプというわけでもありません。
カラーや熱によるダメージが強い場合には、軽さだけでなくダメージに合わせたケアも必要です。
パサつく髪は「しっとり」を選べばいい?
ここが一番迷いやすいところかもしれません。
パサつく髪には、しっとりするシャンプーが合うと思われがちです。
でも、実際にはパサつきの原因によって考え方が変わります。
例えば、
- ブリーチによるゴワつき
- アイロンなどの熱による硬さ
- くせやうねりによる広がり
- 細毛・エイジング毛のふわふわした広がり
これらを全部、同じしっとりタイプで解決しようとするのは少し無理があります。
僕なら、まず髪の状態を確認してから商品を選びます。
→ 髪がパサつくのはなぜ?美容師が大人女性にまず確認する原因と対策
具体的にどのシャンプーを選べばいい?
ここまで読んで、
「さらさらとしっとりの違いは分かったけれど、結局どの商品がいいの?」
と思った方もいるかもしれません。
そんな方に向けて、髪質やダメージ履歴ごとにシャンプーを7商品紹介しています。
実際に僕が美容室で使っている商品を中心に、ドラッグストアや通販で購入しやすいものも選びました。
単純なランキングではなく、ブリーチ毛、硬毛・くせ毛、細毛、大人髪など、それぞれに向く商品を紹介しています。
→ パサつく髪におすすめのシャンプー7選|美容師が髪質・ダメージ別に選びました
まとめ|さらさら・しっとりは髪質と仕上がりで選ぼう
シャンプーの「さらさら」と「しっとり」は、どちらが優れているというものではありません。
大切なのは、自分の髪質と、どんな仕上がりを求めているかです。
細くてぺたんこになりやすい髪なら、軽さやふんわり感を重視する。
太く硬く広がりやすい髪なら、まとまりやしなやかさを重視する。
そして、ブリーチや縮毛矯正などのダメージ履歴があるなら、その状態に合ったケアも考える。
「パサつくからしっとり」ではなく、「自分の髪には何が必要なのか」から考える。
それが、シャンプー選びで失敗しにくくなるポイントだと思います。
さらに、仕上がりの好みからシャンプーを比較したい方は、こちらのマッピング記事も参考にしてください。

