洗い流さないトリートメントを選ぼうとすると、まず迷うのがオイル・ミルク・ミストの違いではないでしょうか。
「乾燥しているからオイル?」「ダメージしているならミルク?」「ミストは何のために使うの?」
美容室でも、よく聞かれます。
ただ、美容師としては「オイルだからこれ」「ミストだからこれ」と、剤型だけを見て選んでいるわけではありません。
同じオイルでも軽いものから重いものまでありますし、配合されている成分や目的も製品によって違います。
それでも、髪質やダメージの状態、普段どんなスタイリングをしているかを見ると、最初の候補はある程度絞れます。
この記事では成分を細かく比較するのではなく、僕が実際に美容室でお客様の髪を見ながら、オイル・ミルク・ミストをどう選んでいるのかを紹介します。
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洗い流さないトリートメント、結局どれを選ぶ?

洗い流さないトリートメントは、アウトバストリートメントとも呼ばれ、主にお風呂上がりの髪やスタイリング時に使うヘアケアです。
大きく分けると、ミスト、ミルク、オイルなどがあります。
以前は「ミストは補修向き」「オイルは熱保護に強い」といった分け方もよく見かけました。
ただ、剤型だけで補修力や熱保護性能まで決めることはできません。
熱から髪を守ることを目的にするなら、その製品自体がどんな設計になっているかを見る必要がありますし、仕上がりの重さも製品によってかなり違います。
そのうえで、僕が美容室で提案するときの大まかな入口はこんな感じです。
| タイプ | 提案しやすい髪・使い方 |
|---|---|
| ミスト | 猫っ毛、オイルやミルクでベタつきやすい、今のケアにもう1つ足したい |
| ミルク | カラーやパーマなどでパサつき、毛先が軽くなっている |
| オイル | 比較的硬毛で、乾燥によってしなやかさや弾力感が低下して見える |
これは「この髪質なら絶対にこれ」という分類ではありません。
美容師として、どこから試してもらうかを考えるときの目安くらいに考えてください。
ミスト|実はかなり提案しやすい
3種類の中でも、僕が意外と提案しやすいと感じているのがミストです。
理由のひとつが、今使っているヘアケアをやめなくても取り入れやすいこと。
すでに気に入っているオイルがあるなら、それをやめてミストだけにする必要はありません。
濡れた髪にミストをつけ、その上からいつものオイルを使うこともできます。
朝なら寝癖直しとして使えますし、ウェーブスタイルならムースをつける前に使うこともできます。
のぶさん
もうひとつは、猫っ毛や細い髪。
オイルやミルクをうまくなじませられず、少し量が多いだけでベタつきを感じてしまう人もいます。
そんな場合にも、軽く使えるミストから試してみるのはひとつの方法です。
ミルク|ケミカルダメージで毛先が軽くなった髪に
僕がミルクを考えることが多いのは、カラーやパーマなどのケミカルダメージによってパサつきが出て、毛先が軽くなっているように感じる髪です。
乾かしたあとに毛先がふわふわと広がったり、まとまりにくかったりする。
そんな髪には、ミルクタイプを候補にすることがあります。
ただし、「ダメージ毛なら必ずミルク」という意味ではありません。
髪が細くて重いものが苦手なのか、逆に毛量が多くてまとまりがほしいのかでも選択は変わります。
ダメージしているかどうかだけでなく、今の髪がどういう質感になっているかを見る。
僕はそのほうが選びやすいと思っています。
オイル|乾燥して硬さを感じる髪に
オイルを提案することが多いのは、比較的しっかりした髪質で、乾燥によって髪のしなやかさや弾力感が低下しているように見える人です。
毛先が乾燥して硬く感じたり、まとまりにくかったりする髪ですね。
オイルによるツヤ感やまとまりが加わることで、仕上がりを整えやすくなります。
ただ、
「オイル=熱から髪を守るもの」
と決めつける必要はありません。
ドライヤーやヘアアイロンの熱保護を重視する場合は、「オイルだから大丈夫」ではなく、その製品がどのような目的で作られているかを確認して選びましょう。
オイル・ミルク・ミストは重ねて使ってもいい?
「洗い流さないトリートメントは1種類だけにしたほうがいいですか?」
これもよくある疑問ですが、組み合わせて使っても大丈夫です。
実際、僕もミスト+ミルク、ミスト+オイルはよく提案します。
ただし、何を組み合わせるかによって使うタイミングを少し変えます。
タオルドライした濡れた髪にミストをなじませ、そのままミルクを重ねてから乾かします。
ミストだけでは少し物足りないけれど、最初からミルクだけではなじませにくい。
そんな場合にも使いやすい組み合わせです。
こちらも基本は同じです。
濡れた髪にミストをなじませ、そのままオイルを重ねて乾かします。
今使っているオイルは気に入っているけれど、もう少しケアを足したいという人にも取り入れやすい方法です。
ミルクとオイルの場合は、僕なら濡れた髪に両方をたっぷり重ねるより、使うタイミングを分けます。
たとえば、
ミルクをつける → ドライヤーで乾かす → 仕上げにオイルを少量
という使い方。
ドライ前にどちらかを使い、もう一方は乾かしたあとのツヤ出しや質感調整として使います。
もちろん製品によって推奨される使い方は異なるので、商品の説明も確認してください。
そして、2種類使ったからといって「ケア効果が2倍になる」ということでもありません。
必要なものを、必要な量だけ。
重ねるほど良いわけではないんです。
洗い流さないトリートメントは「少なめから」でいい

オイルやミルクを使って、
「なんだかベタベタする」
「乾かしたのに重い」
となる場合、髪に合っていない可能性もありますが、単純につける量が多いこともあります。
商品には使用量の目安が書かれていますが、髪の長さや毛量、ダメージ状態によって必要な量は変わります。
僕がお客様におすすめしているのは、最初は目安量より少なめから始めることです。
足りなければ、あとから足せます。
でも最初からつけすぎてしまうと、そこから減らすことはできません。
もこちゃん
のぶさん
手のひらだけでなく、指の間までしっかり伸ばす
適量を取ったら、すぐ髪につけるのではなく、まず手のひらにしっかり伸ばします。
このとき、指の間にもなじませておくのがポイントです。
その状態で毛先から手ぐしを入れ、指を髪の中へ落としていくようなイメージで全体になじませます。
手のひらだけに伸ばして髪の表面を撫でるより、手ぐしを使ったほうが内側までなじませやすくなります。
そして基本は毛先から。
最初から根元付近にたっぷりつける必要はありません。
「指通りが変わった」が適量のサイン
では、どのくらいつければ十分なのでしょうか。
僕は「○プッシュ」と量だけで決めるより、髪の指通りをひとつの目安にしてもらうようにしています。
アウトバストリートメントを毛先からなじませていくと、だんだん指通りが変わってくるのが分かると思います。
引っ掛かっていた部分がなめらかになって、特に引っ掛かりなく手ぐしが通る。
そこまできたら、ひとまず十分です。
まだ引っ掛かるところがあれば、その部分に少量を足してみる。
このやり方なら、髪の長さだけで使用量を決めるより、自分の髪に必要な量を見つけやすくなります。
なじませたら、あとはきちんと乾かす
アウトバストリートメントをなじませたら、あとはドライヤーで乾かします。
この記事ではオイル・ミルク・ミストの使い方に絞りました。
乾かす順番やドライヤーの当て方までここで説明すると長くなってしまうので、詳しい方法はこちらの記事にまとめています。
→ ドライヤー熱でダメージ加速?ブリーチ毛の正しい乾かし方と「失敗しないドライヤー」の選び方
朝のスタイリングにも使っていい
洗い流さないトリートメントというと、お風呂上がりに使うイメージが強いかもしれません。
でも、製品によっては朝のスタイリングにも使えます。
特にミストは、寝癖を直すために髪を湿らせながらケアを加えられるので使いやすいタイプです。
ウェーブスタイルなら、
ミスト → ムース
オイルで仕上げるなら、
ミスト → オイル
という使い方もできます。
一方、乾いた髪にオイルを使うなら、ドライ前と同じ量をつける必要はありません。
仕上げのツヤやまとまりを足す程度なら、少量からなじませてみてください。
オイル・ミルク・ミストに「どれが一番」はない
洗い流さないトリートメントは、
「ダメージ毛だからミルク」
「乾燥毛だからオイル」
「猫っ毛だからミスト」
と、ひとつの条件だけで決められるものではありません。
髪質。
カラーやパーマの履歴。
今のダメージ状態。
どんな仕上がりが好きなのか。
そして、毎日どう使いたいのか。
ここまで考えると、選びやすくなります。
ゆっこさん
のぶさん
そして、どれを選んだとしても、最初からたくさんつける必要はありません。
少なめから始める。
手のひらと指の間まで伸ばす。
毛先から手ぐしでなじませる。
指通りがなめらかになったら、ひとまず十分。
まずはここから試してみてください。
洗い流さないトリートメントは、たくさん使うことより、自分の髪にちょうどいいものを、ちょうどいい量で使えることのほうが大切だと思います。

