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サロンカラーとホームカラーは何が違う?美容師が教える仕上がり・ダメージ・使い分け

ホームカラーをする女性と美容室でヘアカラーを受ける女性を対比し、仕上がりやダメージ、使い分けの違いを表現したイラスト

白髪が気になってきた。
根元が伸びてきた。
でも、美容室に行く時間がない。

そんなとき、ドラッグストアで買えるホームカラーはやっぱり便利です。

一方で、

「美容室のカラーと市販のカラーって、そんなに違うの?」
「結局、使っている薬が違うだけ?」

と思ったことがある人もいるかもしれません。

美容師としては、できれば美容室で染めてほしい。

……というのが本音です(笑)。

でも、ホームカラーそのものを否定するつもりはありません。

今は市販のカラー剤もよくできていますし、酸化染毛剤で髪を染める基本的な仕組みが、サロンだからまったく別物になるわけでもありません。

僕が大きな違いだと思っているのは、薬剤そのものより「今の髪を見て、施術を変えられるかどうか」です。

美容室では、根元と毛先に同じ薬を使うとは限りません。

白髪の量、今の明るさ、過去のカラー、ダメージ、ブリーチ履歴。

それらを見ながら、薬剤や2剤、塗る場所まで変えています。

今回は、ホームカラーとサロンカラーの違いを、25年以上お客様の髪を染めてきた美容師の立場から整理してみます。

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ホームカラーとサロンカラー、染まる基本的な仕組みは大きく変わらない

まず知っておいてほしいのは、

市販のカラー剤だから特殊な染まり方をする」というわけではない

ということです。

一般的な白髪染めやおしゃれ染めに使われる酸化染毛剤は、アルカリ剤、酸化染料、過酸化水素などの働きを利用して、髪を明るくしながら色を発色させます。

美容室で使う酸化染毛剤も、基本的な染毛の仕組みは同じです。

もちろん、製品ごとに処方や特徴は違います。

ただ、

「市販品だから悪い薬」
「サロン専用品だから髪が傷まない薬」

と単純に分けられるものではありません。

じゃあ、美容室で染める意味って何なの?

ゆっこさん

のぶさん

僕は、薬そのものより「髪を見ながら使い方を変えられること」が大きいと思っています。

サロンカラーの大きな違いは「一人の髪でも薬を変えられること」

サロンカラーで根元・中間・毛先の状態に合わせて薬剤や塗り方を変える様子

たとえば、根元が2センチ伸びた髪を想像してみてください。

根元には、まだ一度もカラーしていない新しい髪があります。

その先には、1か月前、2か月前、さらにその前にもカラーした髪があります。

同じ一本の髪でも、状態は同じではありません。

根元は明るくする必要がある。

でも、すでに明るくなっている毛先は、もう一度同じように明るくする必要がないこともあります。

むしろ必要なのは、抜けてきた色を補うことだけかもしれません。

美容室では、この違いを見ながら薬剤を考えます。

僕の場合も、

  • 根元と毛先で薬剤を変える
  • ダメージしている部分は薬剤のパワーを調整する
  • 必要に応じて2剤の濃度を変える
  • すでに明るい部分には、さらに明るくしすぎない処方を選ぶ
  • カラー履歴やブリーチ履歴に合わせて塗り分ける

といったことをしています。

つまりサロンカラーの価値は、

高級なカラー剤を使っているから」だけではありません。

髪の場所ごとに必要な仕事を考えて、その場で施術を組み立てられる。

そこに美容師の技術があります。

カラーの「2剤」まで髪の状態に合わせて美容師は選んでいる

お客様にはあまり見えない部分ですが、美容室ではカラー剤の1剤だけでなく、組み合わせる2剤も髪の状態によって選ぶことがあります。

僕自身、ダメージしている部分などでは、過酸化水素の濃度を変えたり、「アルカリキャンセル」と呼ばれるタイプの2剤を使ったりすることがあります。

すでに明るくなっている毛先なら、根元と同じようにリフトさせる必要がないケースもあるからです。

大切なのは、

「サロンカラーなら自動的に傷みにくい」のではなく、必要以上の負担をかけないための選択肢を美容師が持っていること。

ここは、ホームカラーとサロンカラーのかなり大きな違いだと思っています。

ホームカラーで難しいのは「見えないところ」と「塗り分け」

ホームカラーのいちばんの魅力は、自宅で好きなタイミングに染められること。

美容室へ行く時間が取れないときには、とても便利です。

一方、実際に自分の頭を染めてみると難しいのが、

後ろが見えないこと。

そしてもう一つが、

必要なところだけに薬を塗ること。

根元だけ染めるつもりでも、毎回少しずつ毛先まで薬が重なってしまうことがあります。

1回では大きな差を感じなくても、それを何度も繰り返せば、根元と毛先の状態はだんだん変わってきます。

色も同じです。

見える顔まわりはきれいに染まっていても、後ろを見ると明るさが違ったり、以前染めた部分だけ濃く残っていたりすることがあります。

ホームカラー履歴のあるお客様が来店したとき、美容師は単純に「何色に染めたいですか?」だけを見ているわけではありません。

どこが明るくなっているか。
どこに色が濃く残っているか。
どこまでが新しく伸びた髪なのか。

まず、その履歴を探しています。

美容師が難しいと感じるセルフカラーもある

ホームカラーをしているからといって、必ず美容室で困るわけではありません。

ただ、次のカラーを考えたときに難しくなるケースはあります。

その一つが、ブリーチを使ったセルフカラーです。

たとえば、自分でインナーカラーをブリーチしているケース。

次に美容室でブリーチのリタッチをしようとすると、

「どこまでが前回ブリーチした部分なのか」

を正確に拾わなければなりません。

すでにブリーチしている部分へ再び強く薬剤を重ねれば、髪への負担も大きくなります。

逆に塗れていないところが残れば、明るさにムラができます。

セルフカラーの履歴が複雑になるほど、その後の施術も難しくなります。

もう一つ、最近気をつけて見ているのが、カラーシャンプーやカラートリートメントなどの履歴です。

見た目にはかなり色が落ちているように見えても、髪に残っている色素が次のカラーへ影響することがあります。

だから美容室では、今見えている髪色だけでなく、

「これまで何を使ってきたか」

も大切な情報になります。

ホームカラーはダメなの?

ここまで読むと、

「じゃあホームカラーはやめた方がいいの?」

と思うかもしれません。

美容師としては……できれば美容室で染めてほしいです(笑)。

でも、僕はホームカラーを全面的に否定しているわけではありません。

美容室へ行くには時間もかかります。

料金もかかります。

特に白髪は、

「次の美容室まで待てない」

ということもありますよね。

だから僕は、ホームカラーは使い方次第で容認という考えです。

たとえば、次の美容室までの間にどうしても白髪が気になるなら、目立つ生え際や分け目を中心にリタッチする。

これは現実的な使い方だと思います。

反対に、

毎回毛先まで全部染める。
大きく色を変える。
明るくする。
ブリーチする。

こうした施術は、できれば美容室に任せてほしいところです。

僕なら「色を変えるときは美容室」をおすすめします

生え際や分け目のリタッチはホームカラー、色変更や複雑なカラー履歴は美容室と使い分ける例

ホームカラーと美容室を併用するなら、僕がおすすめしたいのはシンプルです。

色を変えたいときは美容室。
家では、どうしても気になる部分のリタッチ程度。

白髪染めも、ただ暗く染めればいいわけではありません。

「今より少し明るくしたい」「白髪を目立ちにくくしながら、自分に似合う色を選びたい」という方は、年代ごとの明るさや色味の考え方をこちらの記事で詳しく紹介しています。

[40代・50代・60代に似合う白髪染めの明るさと色味の選び方]

そしてホームカラーが続いている人も、ときどき美容室で髪の状態を見てもらう。

僕なら、3回に1回くらいは美容室で状態を確認できると安心だと思っています。

もちろん、これはすべての人に当てはまる絶対的な回数ではありません。

白髪の量、染める頻度、髪の長さ、ダメージ、目指す色によって変わります。

ただ、美容師側からすると、途中で一度髪を見られるだけでも、

「毛先が少し濃くなってきていますね」
「ここはもう薬を重ねない方がよさそうです」
「次は根元だけにしましょう」

と軌道修正できます。

ホームカラーをするか、美容室で染めるか。

どちらか一つに決めなければいけないわけではありません。

ブリーチ履歴があるなら、基本は美容室がおすすめ

一つだけ、僕がホームカラーより美容室を強くおすすめしたいのが、ブリーチ履歴のある髪です。

ブリーチした部分と、していない部分では髪の状態が大きく違います。

そこへ自分でさらにブリーチやカラーを重ねると、ムラだけでなくダメージの差も大きくなりやすくなります。

インナーカラー、ハイライト、バレイヤージュなど、部分的にブリーチしている髪も同じです。

次の施術まで考えるなら、ここは美容師に履歴をつないでもらう方が安心です。

ヘアカラーにはいくつか種類がある

ちなみに、一口に「ヘアカラー」といっても全部が同じものではありません。

代表的なものを簡単に整理すると、

種類特徴
酸化染毛剤白髪染め・おしゃれ染めなど。髪を明るくしながら染めることができる
ブリーチ・脱染剤メラニンや染着した色素を酸化分解して明るくする
ヘアマニキュア主に酸性染料を使って染める。黒髪を明るくする働きはない
カラートリートメント使用を重ねながら髪の表層部へ色素を浸透・蓄積させる製品がある
一時染毛料ヘアマスカラやカラースプレーなど、一時的に髪へ色をつける

それぞれ染まり方も注意点も違います。

特に一般的な白髪染めやおしゃれ染めに使われる酸化染毛剤は、過去に問題なく使えていた人でも、体質の変化などによってアレルギー反応が起こることがあります。

使用する場合は製品の説明書を確認し、使用前には毎回、指定された方法でパッチテストを行ってください。

ブリーチについても、「酸化染料が入っていないからアレルギーの心配はない」と考えるのはおすすめしません。製品によっては過硫酸塩などによる皮膚トラブルが起こることがあります。

サロンカラーに払っているのは、カラー剤の値段だけではない

ホームカラーとサロンカラー。

どちらも髪を染めるためのものです。

だから、

「美容室にしかない魔法の薬を使っている」

という話ではありません。

僕が美容師としてサロンカラーに価値があると思うのは、

今の髪を見て、その人のために施術を変えられること。

根元と毛先。

白髪のあるところとないところ。

傷んでいるところと、まだ元気なところ。

以前ブリーチしたところ。

色が濃く残っているところ。

同じ一人の頭でも、全部同じではありません。

そこを見ながら、

「ここにはこの薬」
「ここにはこれ以上負担をかけない」
「今日はここだけ染める」

と考える。

美容室のカラー料金には、薬剤だけではなく、その判断も含まれていると僕は思っています。

だから、ホームカラーが悪で、サロンカラーが正解という話ではありません。

便利さを優先する日があってもいい。

でも、大きく色を変えたいときや、髪の履歴が複雑になってきたときは、一度美容師に見せてください。

髪を染めることより、

その次も、またきれいに染められる髪を残しておくこと。

長くヘアカラーを楽しむなら、僕はそちらの方が大切だと思っています。