皆さんはヘアカラーをどのように楽しまれていますか?
日本人の平均年齢45歳を超え、2023年には人口の半数以上が50代を超えると言われていて、お洒落を楽しみたいファッションカラー(おしゃれ染め)だけでなく、身だしなみとしてグレイカラー(白髪染め)をされている方も多いのではないでしょうか?
毎月美容室でカラーをしている人もいれば、時間がないから自分で染めている人もいるでしょう。
美容室で染めても、自分で染めても、仕上がりが同じなら、自分で染めた方が、金銭的にも時間的にも効率が良いですよね?
この記事では、ヘアカラーとはどのような原理なのかという基本的な知識と、サロンカラーとホームカラー(セルフカラー)の違いについて、疑問に答えていきますね。
始めの項目で、ヘアカラー全般について触れますが、それ以降、サロンカラーとホームカラーの違いについては、酸化染毛剤(アルカリカラー)についてまとめます。
Table of Contents
ヘアカラーの種類と原理について
脱色剤 | 酸化染毛剤 | 酸性染毛剤 | カラー トリートメント |
一時着色料 | |
名称 | ブリーチ ライトナー |
アルカリカラー | ヘアマニキュア | カラー トリートメント |
カラースプレー |
分類 | 医薬部外品 | 医薬部外品 | 化粧品 | 化粧品 | 化粧品 |
脱色剤 | 永久染毛剤 | 半永久染毛剤 | 除染性染毛料 | 一時着色料 | |
原理 | メラニン色素を壊し、髪を明るくする。 | メラニン色素を壊し、髪を明るくしながら、酸化染毛剤を発色させる。 | 酸性色素がキューティクル付近でイオン結合し、着色する。 | キューティクル付近で着色する染料を繰り返し重ねて染める。 | 染料を毛髪表面に付着させる。 |
特徴 | かなり明るい色に染めることができる。 | リフトアップから、トーンダウンまで、幅広く対応できる。 | ブリーチ力がないので、髪を傷める事なく染められる。 | 徐々に染めるので、伸びてきても境目が目立ちにくい。 | シャンプーで洗えば、すぐに落とせる。 |
ヘアカラーの種類は、美容師が使用するプロ用と市販品で、最も使用されていて、よく見かけるのがこの3種類です。
- 脱色剤(ブリーチ)
- 酸化染毛剤(アルカリカラー)
- 酸性染料剤(ヘアマニキュア)
特に酸化染毛剤(アルカリカラー)は、ファッションカラーにもグレイカラーにも幅広く対応できるため、大きくシェアを占めているカラー剤になります。
また、上記のヘアカラー剤以外にも、発色の違いや施術工程の違いによって2種類のカラー剤があります。
- カラートリートメント類(徐染性染毛料)
- 一時着色料(毛髪着色料)
ここからは少し、それぞれのヘアカラーの違いを説明しますね。
脱色剤(ブリーチ)
医薬部外品に分類学されるブリーチは、毛髪に含まれるメラニン色素を分解し、髪色を明るくする作用があります。
ヘアカラー剤の中では、薬剤の力も強く髪に対するダメージも強いですが、染毛料が入っていないため、ジアミンなどによるアレルギー反応は、ほぼ無いと言われています。
1剤は、クリーム状(ライトナー)パウダー状のものがあり、2剤の過酸化水素を混ぜて毛髪に塗布していきます。
クリーム状のものは、ダメージが少なく、明るくする力も穏やかなので、明るくしたい程度に合わせて薬剤を選びます。
ヘアサロンだけでなく、市販品でも多く販売されている薬剤になります。
酸化染毛剤(アルカリカラー)
一般的にヘアカラーといえば、酸化染毛剤のことを指します。
医薬部外品に分類されている永久染毛剤は、クリーム状の染料が入った1剤と、乳液状の過酸化水素が入った2剤を混ぜて、毛髪に塗布していきます。
ブリーチ剤の様に毛髪に含まれる色素を分解し、髪色を明るくするとともに、薬剤に含まれる染料が毛髪内部で発色します。
毛髪内部で色素が結合し発色するため、色持ちが良いのが特徴です。
薬剤の中に染料のジアミンが入っているため、ごく稀にアレルギー反応を起こすことがあります。
そのため染める度にパッチテストを行うことが望ましいです。
ヘアサロンだけでなく、市販品でも多く販売されている薬剤になります。
酸性染料剤(ヘアマニキュア)
ヘアマニキュアは、半永久染毛料という化粧品登録の分類に分けられます。
酸性の性質を持つカラー剤で、毛髪の表面に、電気的な結合(イオン結合)で吸着し、毛髪の表面をコーティングする様に染まる仕組みです。
そのため髪の艶やハリが出やすく、ダメージを感じさせないのが、ヘアマニキュアの大きなメリットです。
ヘアマニキュアには色素を分解する力がないので、髪のトーンアップはできません。
ジアミンによるアレルギーのある方が、比較的安全に楽しめるカラーの為、取り扱いをしているヘアサロンは比較的多い方です。
市販品でも見かける薬剤ですが、皮膚にもカラーが定着してしまう為、取り扱いが難しいです。
カラートリートメント類(徐染性染毛料)
化粧品登録の染毛料のため、染色力はそこまで強くなく、一度の施術では、目的の色味に染まりません。
染料の入ったカラートリートメントを何日か連続で使用することで、徐々に色を入れていく仕組みです。
毛髪の内部に染まり込むのではなく、ヘアマニキュアと同じように、毛髪の表面に染料がとどまるため、比較的色落ちも早いです。
一度で目的の色味に仕上げることができないため、ヘアサロンで使われることは、ほぼありません。
カラートリートメントは、徐々に染めるので伸びてきた時にカラーの境目がわかりにくいのがメリットです。
一時着色料(カラースプレー)
一時着色料とは、カラースプレー(黒彩)や、ヘアカラーチョークなど、染料を毛髪の上に付着させるだけの染料のため、お風呂でシャンプーをしたら落ちてしまいます。
カラー剤というより、スタイリング剤に近いです。
【アルカリカラー】サロンカラーとホームカラーの違いとは?
適度な脱色力と染色力のあるアルカリカラーは、サロンカラーでもセルフカラーでもよく使用される薬材になります。
利用するシーンや使用者がプロかアマチュアかの違いがあるため、それぞれ取り扱いしやすいように染料やアルカリ剤の配合が異なります。
ホームカラーの特徴
ホームカラーは、お客様自身が使うことを前提として作られている為、色ムラが出にくく失敗が少ないような色味設定になっています。
色表現の幅は狭く、20色程度と言われています。
また薬剤の形状に毛髪に広がりやすい泡や液体が採用されていて、一人でも簡単に染めることができます。
お風呂場など狭い空間での施術も想定して、ニオイも最小限に抑えられています。
つまり、色表現よりも簡単さを重視しているのがホームカラーの特徴です。
サロンカラーの特徴
サロンカラーは、プロの美容師が使うことを前提として作られているため、染料の色も200色程度と多く、豊かな色表現が可能です。
また薬剤の形状も粘性のあるクリームが多く、塗り分けがしやすく、メッシュやハイライトといった繊細な美容技術に適しています。
ダメージコントロールしながら、お客様の要望に沿った色を作りだせるのがサロンカラーの特徴です。
1番の違いはダメージと色もちの違い
サロンカラーとホームカラーの1番の違いは、使われているアルカリ剤の違いと2剤に含ませる過酸化水素の濃度の違いになります。
アルカリ剤の違い
ホームカラーによく使われるアルカリ剤のモノエタノールアミンは、仕上がりの手触りが良く、揮発性が低いためニオイも抑えることができるといったメリットがあります。
しかし、モノエタノールアミンは、揮発しにくいため、毛髪内部に残留しやすいです。
サロンカラーでは、アルカリの残留を最小限に抑える為、揮発しやすいアンモニアがよく使われています。
また、アルカリの量を調整できるため、ダメージを少なく、色持ちが良いといった配合が可能です。
サロンカラーは臭いがキツイというデメリットはありますが、色素表現の幅が広いことと、ダメージコントロールができる点が大きなメリットとなります。
2剤の濃度や配合量でコントロールできる
ダメージと色ムラの度合いは、過酸水素から構成されるこの2剤に大きく影響を受けます。
ヘアカラーをされている方のほとんどは、初めてのカラーではなく、繰り返してダメージを受けている状態です。
髪質やダメージが全然違うのに、全ての毛に同じ強さの薬剤を使うことが、色ムラやダメージの原因になってしまいます。
ホームカラーが失敗しやすいのは、薬剤のコントロールができない点にあります。
これに対してサロンカラーは、美容師が髪の状態に合わせて薬剤コントロールしている為ダメージを少なく、色ムラを抑える事ができます。
最後に
サロンカラーとホームカラーの違いを少しまとめてみました。
ホームカラーは、サロンカラーに比べると手軽に染めることができますが、1番のリスクはダメージコントロールができない点です。
毛髪にはターンオーバーがないため、一度ダメージしてしまうと、基本的には元に戻りません。
金銭的にも安いし手軽だからとホームカラーをして、色ムラやダメージを作ってしまうと、キレイな髪の状態に戻すのに莫大な時間と金銭的なコストがかかってしまいます。
サロンカラーは、ホームカラーに比べて時間と費用がかかってしまいます。
最近はリーズナブルな価格で染めてくれるカラー専門店と増えてきました。
基本的には、ヘアカラーはプロの美容師に任せるのがおすすめ。
キレイな髪を維持できる様に、プロに任せてヘアカラーを楽しみましょう。