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アミノ酸系シャンプーとは?美容師が「髪にいい」だけでは選ばない理由

アミノ酸系シャンプーの特徴と、髪にいいというイメージだけでなく髪や頭皮に合わせて選ぶ考え方を美容師が解説するイラスト

「アミノ酸系のシャンプーのほうが、髪にいいんですよね?」

美容室でも、ときどき聞かれる質問です。

アミノ酸系というのは、シャンプーを選ぶときのひとつの基準にはなります。

ただ、アミノ酸系だからいいシャンプー、そうでなければ悪いシャンプー、というほど単純ではありません。

僕自身、以前はシャンプーの成分をかなり細かく見ていた時期がありました。

でも、実際にいろいろな商品を使い、お客様の髪を洗い、その後の状態まで見ていると、ひとつの洗浄成分だけではシャンプーの使い心地や仕上がりまでは判断できないと感じるようになりました。

この記事では、アミノ酸系シャンプーとは何なのかを整理しながら、美容師として今どう考えてシャンプーを選んでいるのかを紹介します。

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アミノ酸系シャンプーとは?

シャンプーには、髪や頭皮についた皮脂や汚れを落とすために「界面活性剤」と呼ばれる洗浄成分が使われています。

そのなかで、アミノ酸をもとに作られた洗浄成分を使用したものが、一般に「アミノ酸系シャンプー」と呼ばれています。

代表的な成分には、

  • ココイルグルタミン酸Na
  • ココイルグルタミン酸TEA
  • ラウロイルメチルアラニンNa
  • ココイルアラニンTEA
  • ラウロイルアスパラギン酸Na
  • ココイルグリシンK

などがあります。

成分表を見るのが好きな方なら、「ココイル○○」「ラウロイル○○」といった名前を見たことがあるかもしれません。

アミノ酸系の洗浄成分にはいくつか種類があり、それぞれ性質にも違いがあります。

ただし、ここで覚えておいてほしいのは、この成分名だけで完成したシャンプーの良し悪しが決まるわけではないということです。

アミノ酸系は「髪や頭皮にやさしい」って本当?

アミノ酸系シャンプーについて調べると、

「低刺激」
「洗浄力が穏やか」
「髪や頭皮にやさしい」

といった説明をよく見かけます。

これは、まったく根拠のないイメージというわけではありません。

アミノ酸系界面活性剤のなかには、皮膚や目への刺激が比較的低いものがあり、敏感肌向けの商品などに採用されているものもあります。

ただし、

アミノ酸系の洗浄成分が入っている=そのシャンプーが誰にとっても低刺激

とまでは言えません。

シャンプーは、ひとつの洗浄成分だけでできているわけではないからです。

複数の洗浄成分を組み合わせることもありますし、髪の手触りやまとまりを考えた成分、保湿成分など、さまざまなものを組み合わせてひとつの商品が作られています。

だから僕は、アミノ酸系という言葉をシャンプーを知るためのひとつの情報として考えています。

「アミノ酸系だから」でシャンプーをすすめることはありません

アミノ酸系という成分名だけでシャンプーを決めず、髪質や施術履歴、悩み、欲しい仕上がりから選ぶ考え方を示した図解

僕自身、美容室でお客様にシャンプーを提案するとき、

「これはアミノ酸系だからおすすめですよ」

という選び方はしていません。

まず見るのは、その人の髪です。

髪の太さや硬さ、カラーや縮毛矯正などの施術履歴、ダメージの状態。

さらに、

「軽く仕上げたい」
「毛先をもう少しまとめたい」
「トップはふんわりさせたい」

といった好みも聞きます。

そうやって、その人に合いそうな商品を選んだ結果として、アミノ酸系の洗浄成分を使ったシャンプーになることはあります。

成分から人を選ぶのではなく、人からシャンプーを選ぶ。

美容室では、そんな順番で考えています。

同じアミノ酸系でも仕上がりは同じではない

「アミノ酸系」という大きなカテゴリーだけでシャンプーを選びにくい、もうひとつの理由があります。

それは、同じアミノ酸系でも商品によって使用感が違うことです。

実際、サロンでもごくまれに、

「アミノ酸系を選んだけれど、思っていたよりしっとりした」

という話を聞くことがあります。

もちろん、これは「アミノ酸系は重い」という意味ではありません。

洗浄成分の種類や組み合わせだけでなく、洗浄成分以外にどんな成分を組み合わせているのか、メーカーがどんな仕上がりを目指して設計しているのかでも変わってきます。

逆に、アミノ酸系ではない洗浄成分を使っているからといって、それだけで「髪に悪いシャンプー」と判断することもできません。

シャンプーは、成分表のひとつの名前ではなく、処方全体でひとつの商品だからです。

→ シャンプーの良し悪しは洗浄成分だけで決まる?美容師が成分表との付き合い方を解説

成分表はどこまで見ればいい?

昔の僕は、シャンプーの成分表をかなり細かく見ていました。

水の次には何が書いてあるのか。

どんな洗浄成分なのか。

アミノ酸系なのか、ほかの洗浄成分なのか。

もちろん、成分表を見ることで分かることはあります。

でも今、お客様から、

「シャンプーを選ぶとき、成分表は何を見たらいいですか?」

と聞かれたら、

「そこまで気にしすぎなくてもいいと思いますよ」

と答えると思います。

シリコンやパラベンなど、特定の成分を気にされる方もいます。

体質や好み、使用目的によって確認したほうがいい場合はありますが、「入っているから悪い」「入っていないから良い」と、それだけでシャンプー全体を評価する必要はないと僕は考えています。

すべての項目で100点を取るシャンプーを探すより、

自分の髪に合っていて、洗いやすく、乾かしたあとも扱いやすい。

まずは、そんなシャンプーを探すほうが実用的です。

じゃあ、何を基準にシャンプーを選べばいい?

アミノ酸系かどうかを見ること自体は、悪いことではありません。

ただ、それを最終的な答えにしないこと。

僕なら、次のような順番で考えます。

  1. 今の髪で何が気になっているか
  2. どんな仕上がりにしたいか
  3. カラーや縮毛矯正など、どんな施術をしているか
  4. 実際に使ってみて、髪や頭皮に違和感がないか
  5. 使い続けられる価格や使いやすさか

「アミノ酸系」という情報は、このなかのひとつの判断材料です。

シャンプー選びをもう少し具体的に考えたい方は、髪質と欲しい仕上がりから考えてみると選びやすくなります。

→ シャンプー選びで迷ったら?美容師が髪質と仕上がりから考える選び方を解説

→ シャンプーを「軽い・しっとり」「やわらかい・ハリコシ」でマッピングしてみました

アミノ酸系は「選ぶ基準のひとつ」でいい

アミノ酸系シャンプーには、比較的穏やかな洗浄成分が使われているものがあり、シャンプーを選ぶときのひとつの基準にはなります。

だから、「アミノ酸系を選ぶことに意味がない」という話ではありません。

ただ、

アミノ酸系だから髪にいい。
アミノ酸系だから自分にも合う。

そこまで一気に決めてしまわなくていいと思います。

メーカーがどんな髪を想定して、どんな仕上がりを目指して作った商品なのか。

そして、自分の髪質や施術履歴、好みには合っているのか。

美容室で相談できるなら、実際に髪を見てもらいながら選ぶのもひとつの方法です。

成分表は、シャンプーを知るためのヒント。

最後に判断するのは、成分名ではなく、自分の髪。

そのくらいの距離感で付き合うのが、僕はちょうどいいと思っています。