「スカルプシャンプーって使ったほうがいいですか?」
美容室でも、ときどき聞かれる質問です。
そんなとき、僕はすぐに「使ったほうがいいですよ」とは答えません。
まず聞くのは、
「頭皮が気になるんですか?」
ということ。
最近かゆい、ベタつきが気になる、頭皮のニオイが以前と違う。あるいは抜け毛が気になって、頭皮ケアを始めたい。
そうした理由があるなら、シャンプーを見直してみるのもひとつです。
一方で、頭皮にも髪にも特に困っていなくて、現在使っているシャンプーにも満足しているなら、「スカルプシャンプー」という名前だけで無理に変える必要はないと僕は考えています。
今回は、スカルプシャンプーとはどんなものなのか、どんなときに見直してみるといいのかを美容師目線で紹介します。
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Table of Contents
スカルプシャンプーとは?
「スカルプ(scalp)」は頭皮という意味です。
そのため一般的にスカルプシャンプーとは、髪の仕上がりだけでなく、頭皮を清潔に保つことや頭皮ケアにも着目したシャンプーとして販売されているものを指します。
ただし、「スカルプシャンプー」という名前だけで、すべての商品が同じ洗浄力・成分・仕上がりになるわけではありません。
さっぱり洗えるものもあれば、頭皮の乾燥に配慮したもの、フケ・かゆみを防ぐ有効成分を配合した医薬部外品など、商品によって特徴はさまざまです。
ゆっこさん
のぶさん
まず「なぜシャンプーを変えたいのか」を考える
僕がお客様からスカルプシャンプーについて相談されたとき、最初に確認するのがここです。
たとえば、
「最近、頭皮がかゆくて……」
ということなら、
「それなら、一度シャンプーを見直してもいいかもしれませんね」
という話になります。
逆に、
「頭皮は別に気にならないです」
ということであれば、
「抜け毛とかですかね?」
と、もう少し理由を聞いていきます。
それも特になく、今のシャンプーで髪の仕上がりにも困っていないなら、無理に変える必要はありません。
シャンプーを選ぶ目的は、「スカルプケアをしている感」を得ることではないからです。
こんな変化があれば見直すきっかけに
たとえば、
- 最近、頭皮のかゆみが気になる
- ベタつきやニオイが以前より気になる
- フケや乾燥が気になる
- 抜け毛やボリュームが気になり、頭皮ケアを始めたい
- 今使っているシャンプーが頭皮に合っていない気がする
こうした変化があれば、現在の洗い方やシャンプーを見直すきっかけにはなると思います。
ただし、トラブルの原因をシャンプーだけに決めつけないことも大切です。
頭皮がかゆい=洗浄力の強いシャンプー、ではない
以前のこの記事では、頭皮を乾燥肌・脂性肌・混合肌などに分類し、それぞれに合わせて洗浄成分を選ぶ方法を紹介していました。
現在は、そこまで単純には考えていません。
シャンプーは複数の洗浄成分やコンディショニング成分などを組み合わせて作られています。
そのため、
「この洗浄成分だから強い」
「この成分だから頭皮にやさしい」
と、ひとつの成分だけを見て製品全体を判断するのは難しいんです。
頭皮がベタつくから、とにかく強く洗う。
乾燥しているから、できるだけ洗わない。
こうした二択でもありません。
まずは今使っているシャンプーが頭皮まできちんと届いているか、洗い残しやすすぎ残しがないかを確認することも大切です。
→ 正しいシャンプーの洗い方|美容師が毎日の洗髪で大切にしている5つの基本
「スカルプシャンプー=髪がきしむ」でもない
スカルプシャンプーというと、
「洗浄力が強そう」
「髪がキシキシしそう」
というイメージを持っている人もいるかもしれません。
でも、これも商品によります。
僕自身がサロンで選んで販売している頭皮ケア商品では、お客様から「髪がものすごくきしむようになった」と言われた経験はほとんどありません。
一方で、こんな話は何度か聞いたことがあります。
「夏に暑かったから、旦那や息子が使っている清涼系のシャンプーや育毛系のシャンプーを使ったら、髪がキシキシになった」
頭皮には爽快で気持ちよくても、その女性の髪には仕上がりが合わなかったんですね。
特にカラーやパーマ、縮毛矯正などをしている髪では、頭皮だけでなく毛先の状態まで考えてシャンプーを選ぶことが大切です。
清涼感が強いほど頭皮ケアできるわけではない
夏になると、メントールなどによる清涼感のあるシャンプーも増えます。
汗をかいた日にスーッとする感覚は気持ちいいですし、僕も清涼感そのものを否定するつもりはありません。
ただ、
「スースーする=汚れがよく落ちている」
「刺激が強い=頭皮に効いている」
という意味ではありません。
清涼感はあくまで使用感のひとつ。
毎日使うなら、頭皮だけでなく、髪の仕上がりや香りなども含めて無理なく続けられるものを選んだほうがいいと思います。
スカルプシャンプーで髪は生える?
ここも誤解されやすいところです。
スカルプシャンプーと、発毛・薄毛治療は分けて考えましょう。
シャンプーには、頭皮や髪の汚れを洗い流し、清潔に保つという大切な役割があります。
商品によってはフケやかゆみを防ぐことを目的とした医薬部外品もあります。
でも、「スカルプシャンプーに変えれば髪が生える」と考えるものではありません。
僕がお客様へ頭皮ケア商品を提案するときも、
「これを使えば発毛しますよ」
という提案はしていません。
抜け毛やボリュームが気になり始めて、
「まず何か始めてみたい」
という人なら、毎日使うシャンプーから頭皮を健やかに保つケアを考えてみる。
そのくらいの位置づけです。
サロンで実際に扱っている頭皮ケアシリーズについては、こちらでも紹介しています。
→ プテロシャンプーを美容師がレビュー|女性の頭皮ケアの入り口としてすすめる理由
頭皮の色だけで「健康・不健康」を決めなくていい
以前のこの記事では、
「青白い頭皮は健康」
「黄色は注意」
「赤は危険」
「茶色は血行不良」
というように、頭皮の色を段階的に分類していました。
現在は、頭皮の色だけを見て健康状態や抜け毛の原因まで判断するような見方はしていません。
美容師として頭皮を見ることはあります。
赤みがある、フケが目立つ、いつもと状態が違う。
そうした変化に気づくことはできます。
でも美容師が頭皮を見ただけで、その原因を診断できるわけではありません。
特に、赤みや湿疹、強いかゆみ、フケなどが続いている場合は、シャンプーを次々と変えて自己判断するより、皮膚科へ相談したほうがいいケースもあります。
美容師が考えるスカルプシャンプーの選び方
結局、僕が一番大切だと思っているのは、
「スカルプシャンプーを使うべきか」ではなく、「今、何に困っているのか」から選ぶことです。
頭皮に特に不満がない。
髪の仕上がりにも満足している。
それなら、今のシャンプーを無理に変える必要はありません。
一方で、
「最近ちょっとかゆい」
「頭皮が気になり始めた」
「抜け毛が気になって、毎日のケアから見直したい」
という変化があれば、シャンプーを見直してみる。
そして選ぶときには、頭皮だけでなく、自分の髪質やカラー・パーマなどの施術履歴、好きな仕上がりまで含めて考える。
それが美容師としておすすめしたい選び方です。
まとめ|スカルプシャンプーは必要になったときの選択肢
スカルプシャンプーは、誰もが普通のシャンプーから乗り換えるべきものではありません。
今のヘアケアで困っていないなら、そのままでいいと思います。
でも頭皮のかゆみやベタつき、ニオイなどが気になったり、抜け毛をきっかけに頭皮ケアへ興味を持ったりしたなら、毎日使うシャンプーを見直すことはひとつの選択肢です。
ただし、スカルプシャンプーだから発毛するわけでも、清涼感が強いほど頭皮に良いわけでもありません。
頭皮と髪、その両方を見ながら選ぶ。
美容室で相談してもらえれば、
「今のままで大丈夫ですよ」
と答えることもあれば、
「それなら一度、頭皮ケアを意識したものに変えてみてもいいかもしれませんね」
と提案することもあります。
商品名やカテゴリーから選ぶ前に、まずは「なぜ変えたいんだろう?」から考えてみてください。

