大人の髪悩みガイド

くせ毛はなぜうねる?美容師が教える原因と「伸ばす・活かす」の考え方

くせ毛のうねみに悩む大人女性と、原因や縮毛矯正で伸ばす方法、くせを活かす考え方を説明する美容師のイラスト

「私って、くせ毛ですか?」

美容室でこんな質問をされることがあります。

髪が大きくうねる人もいれば、前髪だけ流れてしまう人、耳の後ろだけ膨らむ人、年齢とともに表面のパサつきやうねりが気になってきた人もいます。

くせ毛にはいくつかの分類がありますが、実際のサロンワークで私が最初に考えるのは、その髪が何という種類のくせ毛なのかより、本人がどこに困っているのかです。

めちゃくちゃ弱いクセでも、本人が毎日気になっているなら、その人にとっては十分「気になるクセ」なんですよね。

のぶさん

反対に、かなり強いくせ毛でも本人が困っていなければ、無理にまっすぐにする必要はありません。

この記事では、くせ毛がうねる理由から、40代以降に増えてくるうねり、カットやアイロンで扱えるケース、縮毛矯正を考えてもいいケースまで、美容師の目線から整理してみます。

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そもそも、くせ毛はなぜうねる?

髪のくせには、毛髪内部の構造が関係しています。

毛髪内部にある性質の異なるコルテックス細胞の分布に偏りがあると、髪が曲がったりねじれたりして、くせやうねりとして現れます。

生まれつきの髪質によるものだけでなく、髪の形状は一生まったく変わらないわけではありません。年齢やダメージなどによって、以前よりうねりが目立つようになることもあります。

つまり、「昔からくせ毛だった人」と「最近うねりが気になってきた人」では、同じように見えるうねりでも少し事情が違うことがあります。

くせ毛には波状毛・捻転毛などの分類がある

くせ毛について調べると、

  • 波状毛
  • 捻転毛
  • 縮毛
  • 連珠毛

といった名前を目にすることがあります。

大きく波打つもの、ねじれを伴うもの、細かく縮れたものなど、髪の形状によって分類する考え方です。

ただ、実際のカウンセリングで私は「あなたは○○毛です」と名前をつけるところから始めることは、あまりありません。

ヘアスタイルにどう影響しているのかを見る方が大切だからです。

美容師がくせ毛を見るとき、チェックしている場所

美容師がくせ毛の前髪・襟足・ハチ上・耳の後ろを確認してヘアスタイルへの影響を見るポイント

私がカウンセリングやカットでよく見るのは、

  • 襟足の毛流れ
  • 耳の後ろのうねり
  • 前髪の毛流れとうねり
  • ハチ上の膨らみ

といった部分です。

たとえば襟足だけ強く浮くなら、ショートヘアのシルエットに影響するかもしれません。

前髪の生え方やうねりが強ければ、希望している前髪が毎朝再現しにくいこともあります。ハチ上が膨らみやすければ、頭の形そのものが大きく見えてしまうこともあります。

こうした部分が希望するヘアスタイルに影響すると判断したときは、美容師側から縮毛矯正やスタイリング方法を提案することもあります。

逆に、クセがあっても希望するスタイルにほとんど影響しないなら、無理に施術をすすめる必要はないと思っています。

弱いくせ毛なら、縮毛矯正しなくてもいい?

「このくらいのクセなら、縮毛矯正するほどじゃないですよね?」

これも迷うところだと思います。

アイロンを軽く通すだけで簡単に整えられるくらいなら、私はまず毎日のスタイリングで扱えるかを考えます。

特に大きく波打つようなクセは、私の経験ではアイロンで比較的整えやすいケースもあります。

一方で、細かくねじれたり、ブローしても膨らんだり、なかなかツヤや収まりが出なかったりする髪では、毎朝スタイリングで伸ばすこと自体が負担になることもあります。

その場合は、縮毛矯正をした方が日々のお手入れがラクになることがあります。

ただし、ここで決め手になるのは「クセが何%あるか」「強いか弱いか」だけではありません。

ゆっこさん

でも美容師さんから見て「矯正するほどじゃない」と言われたら、やらない方がいいのかな?

毎日そこが気になっているなら、弱いクセでも相談していいですよ。髪の状態を見ながら、必要な範囲や施術方法を考えるのが美容師の仕事です。

のぶさん

美容師から見れば扱いやすそうでも、本人が毎朝ストレスを感じていることはあります。

だから私は、本人が伸ばしたいと思っているなら、その希望も大切にしたいと考えています。

くせ毛はカットだけで扱いやすくなることもある

すべてのくせ毛に縮毛矯正が必要なわけではありません。

クセの場所とヘアスタイルによっては、カットすることで扱いやすくなるケースもあります。

たとえば丸みのあるショートやショートボブ。

襟足やつむじの下だけにうねりがある場合、長さがあることでクセが目立っていた髪を短く切り込むと、かえって収まりやすくなることがあります。

もちろん、クセの出方によって逆の場合もあります。

だから「くせ毛だから長くして重さで抑える」「くせ毛だから短くしない方がいい」と一律には考えません。

くせ毛だから「梳かない」とも限らない

毛量調整も同じです。

くせ毛を梳きすぎると広がりやすくなることはありますが、だからといって毛量をまったく調整しない方がいいとも限りません。

私は、根元・中間・毛先のどこに量が残っているのかを見ながら、一か所だけ極端に軽くならないようにバランスを取ることを意識しています。

乾いた状態でクセが戻ったときの束感を見るために、ドライカットで調整することもあります。

クセの種類だけでなく、最終的にどんなヘアスタイルを作りたいのか。

ここまで含めてカットを考える必要があります。

40代から「昔よりうねる」と感じる髪は少し違う

「若い頃はこんな髪じゃなかったのに」

40代以降のお客様から、この相談を受けることもあります。

サロンワークで私が感じるのは、昔からある強いくせ毛のように髪全体が大きな毛流れになって動くというより、髪一本一本がそれぞれ違う方向にうねっているように見えるケースです。

大きな毛流れの中に、細くなった髪やツヤの出にくい髪、パサついて見える髪が混ざってくる。

その結果、以前より「まとまらない」「表面がボワボワする」「ツヤが出なくなった」と感じやすくなります。

実際、毛髪研究でも年齢とともに不規則にうねった毛髪の割合が増える傾向が確認されています。

40歳頃からは若い頃よりうねり毛の割合が増え、毛流れが揃いにくくなることで、まとまりにくさやパサつき、ツヤの低下につながると考えられています。

つまり、「最近くせ毛になった気がする」という感覚を、単なる気のせいとして片づける必要はありません。

一方で、原因をすべて「加齢」だけに決めつけるのも違います。

カラーなどによるダメージが重なってうねりが強く見える場合もあるため、今の髪の状態を見ながら考えることが大切です。

→ 40代・50代で髪質が変わってきたと感じる方は、年齢による髪の変化についての記事も参考にしてください。

まず家で試すなら、ヘアケアよりスタイリング

くせ毛をアイロンやカットで整える・縮毛矯正する・クセを活かす3つの選択肢を示した図解

くせ毛が気になると、最初に「くせ毛用シャンプーを買った方がいい?」と考える人もいるかもしれません。

もちろん、シャンプーやトリートメント、アウトバスケアによって乾燥や手触り、まとまりやすさを整えることには意味があります。

ただ、ヘアケアだけで元々のクセそのものをまっすぐにすることはできません。

「このクセ、どうにかしたい」

という段階なら、私はまずアイロンを使ってみることをおすすめします。

ストレートアイロンが苦手なら、ブラシ型の熱器具など、髪にテンションをかけながら整えられるものを試してみるのも一つです。

それだけで朝のスタイリングが十分できるなら、すぐに縮毛矯正をする必要はないかもしれません。

逆に毎朝かなり時間がかかる、湿気ですぐ戻る、ブローしても膨らんでツヤが出ない。

そこまで困っているなら、美容室で縮毛矯正を含めて相談する価値があります。

まずスタイリングで扱えるか試してみる。その次にヘアケアや美容室での施術を考える。

私はこの順番でもいいと思っています。

→ 毎日のアイロンについては、ヘアアイロンの適温とダメージを抑える使い方も参考にしてください。

髪質改善をすれば、くせ毛もまっすぐになる?

ここは最近、特に誤解が起こりやすいところです。

SNSでは、髪質改善メニューの施術後にアイロンで仕上げた、ツヤツヤのストレートヘアを見ることがあります。

その写真を見て、

「髪質改善をすれば、私のクセもこのくらいまっすぐになるのかな?」

と思って来店される方もいます。

ただ、髪質改善と縮毛矯正は同じものではありません。

酸と熱を利用するタイプのトリートメントには、毛髪のクセを抑える技術として研究されているものもあります。一方、一般的な縮毛矯正では還元・熱処理・酸化によって髪の構造に働きかけ、クセを伸ばして固定します。

美容室で「髪質改善」と呼ばれているメニュー自体にもさまざまな種類があるため、名前だけで施術内容を判断するのは難しいところです。

私はお客様に説明するとき、

「クセをまっすぐに伸ばすというより、髪のシワを整えてツヤを出すようなイメージ」

とお話しすることがあります。

アイロン直後の仕上がりだけを見ると、どちらもツヤのあるストレートに見えることがあります。

でも、目的も施術内容も同じとは限りません。

クセをしっかり伸ばしたいのか。

パサつきやツヤ、まとまりを整えたいのか。

ここを美容師と共有してからメニューを決める方が、希望とのズレは少なくなります。

→ 髪質改善と縮毛矯正の違い、どちらを選ぶかについては「髪質改善とストレートパーマの違い」で詳しく解説しています。

くせ毛は「直すもの」と決めなくていい

くせ毛についての記事では、「クセを改善する方法」がよく紹介されます。

でも美容師としては、くせ毛だから直さなければいけないとは思っていません。

強いクセでも本人が困っていなければ、そのままでいい。

クセを活かしたスタイルが好きなら、それもいい。

反対に、美容師から見ればほんの少しのクセでも、本人が毎朝そこを直すことにストレスを感じているなら、縮毛矯正を選んでもいいと思います。

大切なのは、クセの名前や強さだけで施術を決めないことです。

「前髪だけ毎朝うまくいかない」

「襟足が膨らんでショートが決まらない」

「昔より表面がボワボワするようになった」

「とにかく朝をラクにしたい」

そんなふうに、何に困っていて、どうなりたいのかをそのまま美容師に伝えてください。

薬剤を選ぶことも、縮毛矯正が必要か考えることも、カットやスタイリングで対応できないか考えることも、美容師の仕事です。

「こんな弱いクセで相談していいのかな?」なんて考えなくて大丈夫。まずは、何が気になっているのか聞かせてください。

のぶさん

くせ毛を伸ばすか、活かすか。

その答えは、クセの強さだけでは決まりません。

毎日の自分の髪が、少し扱いやすくなる方を選べばいい。

私はそう考えています。