「本当はもう少し髪を伸ばしてみたいんです」
先日、お客様からそんな相談を受けました。襟足に強いくせがあり、これまでショートヘアを続けてきた方です。憧れているのは、少し長さのあるショートボブや、ミディアムに近いヘアスタイル。でも、髪を伸ばすとくせが気になるため、なかなか挑戦できずにいたそうです。
ゆっこさん
40代・50代になると、髪のうねりや広がりだけでなく、トップのボリュームも気になる方が増えてきます。くせは抑えたい。でも、ふんわり感は残したい。
そんな悩みを聞いて、僕がお伝えしたのは、「それなら、伸ばしてみたらいいと思いますよ」ということでした。
くせ毛だからといって、ずっと同じ長さのショートヘアを続ける必要はありません。今回は、くせ毛の大人女性が髪を伸ばすときの考え方と、カット・ストレート・パーマを使い分ける方法についてお話しします。
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Table of Contents
くせ毛だからショートしかできない?
くせ毛のお客様のなかには、長くなると広がるから、短くカットしているという方がいます。もちろん、ショートヘアが好きで続けているなら、それも素敵な選択です。
ただ、本当は違う髪型にしてみたいのに、くせ毛を理由に諦めているなら、少しもったいない気がします。今回のお客様も、ショートヘアそのものが嫌いなわけではありません。憧れているのは、もう少し長さのある髪型。その希望を聞いて、今のくせをどう扱いながら伸ばしていくかを考えました。
「髪が長くなれば、重みでくせが落ち着くのでは?」そう思う方もいるかもしれません。確かに、髪の長さや重さによって、うねりの見え方が変わることはあります。
ただ、今回のお客様のように襟足のくせが強い場合、長くなったからといって扱いやすくなるとは限りません。むしろ、何もせずに伸ばすと、襟足が浮いたり、広がったりして、扱いにくくなることもあります。
それでも僕が「伸ばしてみたら」と提案したのは、長さが出ることで、カットや部分ストレートなど、対応できる方法が増えるからです。大切なのは、伸ばす途中の髪型も整えながら、理想の長さを目指すこと。
まずはカットで整えながら、トップの長さを伸ばす

髪を伸ばしたいとき、すべての部分を同じように伸ばす必要はありません。今回のお客様には、まずトップの長さを育てながら、襟足は短く整えていく方法を提案しました。
襟足のくせが強い方でも、短く整えることで収まりやすくなる場合があります。その特徴を利用して、くびれショートや丸みショートを楽しみながら、少しずつトップやサイドを伸ばしていく方法です。
トップに必要な長さが出るまでは、襟足をすっきり整えてシルエットを保つ。伸ばしている途中でも、カットでバランスを調整すれば、無理なく過ごせる期間をつくれます。くせの強さや生え方によってできるスタイルは変わるため、どの部分を伸ばして、どこを整えるのかを美容師と相談しながら進めましょう。
のぶさん
髪を伸ばすと決めたからといって、すぐに縮毛矯正やストレートをする必要はありません。僕自身は、できるだけお客様の負担やコストを抑えながら、理想の髪型に近づけたいと考えています。
カットだけで収まる間は、カットで対応する。伸びてきて、どうしても扱いにくくなった部分があれば、そのときに次の方法を考える。そんな進め方でも十分だと思います。
ストレートでぺたんこになるのが心配なときは?
「くせは気になるけど、ストレートにするとボリュームがなくなりそう」これは、もっともな心配だと思います。髪のくせによって生まれている膨らみは、ストレートにすると減ることがあります。特にトップのボリュームが気になる方にとっては、くせが伸びることが必ずしも理想の仕上がりにつながるとは限りません。
そんなときに考えたいのが、部分ストレートです。例えば、襟足や顔まわりなど、特にくせが気になる部分だけに施術する方法があります。トップのボリュームを残したい場合は、その部分を避けて施術することも選択肢です。
どこを抑えて、どこのふんわり感を残すか。すべての髪を同じようにまっすぐにするのではなく、仕上がりのバランスを考えるわけです。
のぶさん
ストレート施術では、薬剤やアイロン操作を工夫して、できるだけ自然な仕上がりを目指します。髪の状態によっては、酸性ストレートなどを検討することもあります。
ただし、酸性ストレートだから必ずふんわり仕上がる、というわけではありません。くせを伸ばせば、そのくせによって生まれていたボリュームは変化します。ストレート後は髪の動きや乾かし方も変わるため、今までと同じスタイリングでは仕上がりが違って感じられることもあります。
施術前には、こうした変化も理解しておいていただきたいところです。くせによる広がりが大きな負担になっているなら、部分ストレートで日々のお手入れが楽になる可能性があります。髪のダメージや体力も確認しながら、必要な部分に必要な施術を考えます。
伸ばす途中には、パーマという選択肢もある

くせ毛を扱いやすくする方法は、ストレートだけではありません。実は、パーマが役立つ場面もあります。パーマはくせをまっすぐにする施術ではなく、もともとのうねりや髪の動きを活かしながら、スタイルとしてまとまりやすい形をつくるための選択肢です。
夏場は汗や湿気によって、ブローで伸ばしたくせが戻りやすくなります。朝きれいにブローしても、外に出たらうねりが出てしまう。そんな方なら、最初からウェーブを活かしたヘアスタイルにする方法もあります。
パーマで動きをつくり、自然なウェーブとして仕上げれば、毎朝まっすぐに伸ばすことにこだわらずに済む場合があります。汗をかきやすい季節にも取り入れやすい考え方です。
髪を伸ばしていくと、肩に当たって毛先が跳ねやすい時期があります。この長さでは、ストレートにしたからといって、毛先が必ず内側に収まるとは限りません。髪がまっすぐになっても、肩に当たることで外側に跳ねる場合があるからです。
もこちゃん
そんなときは、無理に毛先を内巻きにしようとするより、パーマで動きをつけて、跳ねる形をヘアスタイルとして楽しむ方法もあります。くせを伸ばすのか、動きを活かすのか。目指す髪型と現在の長さによって、適した方法は変わります。
なお、ストレートの施術歴や髪のダメージによっては、パーマが難しい場合もあります。施術の組み合わせは、髪の状態を確認して判断します。
髪を伸ばす時期は、季節に合わせてもいい
髪を伸ばすとき、意外と大切なのが季節です。特に襟足にくせがある方にとって、夏は扱いにくさを感じやすい季節。汗や湿気でくせが出やすくなり、首まわりの髪も暑く感じます。
そんな時期に無理をして伸ばし続けるより、夏は短めのスタイルを楽しみ、涼しくなってから本格的に伸ばし始める方法もあります。髪を伸ばすことは、我慢大会ではありません。季節や生活スタイルに合わせて進めていくことも大切です。
理想の髪型まで、段階的に考えてみよう
今回のお客様のように、襟足に強いくせがあり、全体には大きくうねるくせがある場合。僕なら、次のような順番で考えます。
1.トップの長さを育てる
最初はくびれショートや丸みショートなど、襟足を整えやすいスタイルから始めます。トップやサイドは、理想の髪型に必要な長さを少しずつ伸ばしていきます。
2.扱いにくい部分が出てきたら、対応を考える
伸ばす途中で襟足のくせが気になったら、カットで調整できるかを確認します。それでも収まりにくければ、部分ストレートなどを検討します。最初からすべての施術を決めておく必要はありません。
3.肩に近づいたら、毛先の動きも考える
髪が肩に当たる長さになったら、毛先が跳ねることも想定してスタイルを考えます。ストレートで整える方法もあれば、パーマで動きを楽しむ方法もあります。その時点の髪の状態と、目指すスタイルに合わせて選んでいきます。
このように段階を分けて考えると、くせ毛でも髪を伸ばす計画が立てやすくなります。
まとめ|くせ毛でも、好きな髪型に挑戦してほしい
くせ毛だからといって、ショートヘアしか選べないわけではありません。もちろん、髪質によっては伸ばす途中に扱いにくい時期があります。でも、カットで整えたり、気になる部分だけストレートをしたり、パーマで動きを活かしたり。美容師には、髪の状態に合わせて考えられる方法がいくつもあります。
今回のお客様も、相談を重ねるなかで「伸ばしてみようかな」という気持ちになってくださいました。僕としては、それがうれしかったですね。
のぶさん
今の髪型が気に入っているなら、そのままでいい。でも、本当はやってみたい髪型があるなら、くせ毛だからと諦めずに相談してほしい。
最初から大きな費用をかけなくても、少しずつ理想に近づく方法はあります。髪を伸ばす途中も楽しみながら、自分に合ったヘアスタイルを見つけていきましょう。

