大人の髪悩みガイド

ベタイン系シャンプーとは?美容師が「低刺激だから安心」だけでは選ばない理由

ベタイン系シャンプーの特徴と、低刺激というイメージだけでなく髪や頭皮との相性から選ぶ考え方を美容師が解説するイラスト

シャンプーの成分表を見ていると、

「コカミドプロピルベタイン」

という長い名前を見かけることがあります。

お客様から「ベタイン系シャンプーって何ですか?」と聞かれることは、正直ほとんどありません。

でも、美容師としてシャンプーの成分を見ていると、かなりよく見かける名前です。

そして僕自身、昔は成分表をかなり気にしていた時期がありました。

ベタイン系の名前を見つけると、

「よし、これは大丈夫そう」

と、ちょっと安心する。

反対に、当時あまりいいイメージを持っていなかった洗浄成分を見ると、

「またおまえかー」

くらいに思っていました。

ところが、実際に使ってみると、

「あれ? まぁ悪くないやん……」

というシャンプーもある。

いろいろな商品を使い、お客様の髪を見てきた今は、ひとつの成分だけではシャンプーを選べないと考えています。

この記事では、ベタイン系の代表的な洗浄成分「コカミドプロピルベタイン」を中心に、どんな成分なのか、そして成分表をどこまで気にすればいいのかを美容師目線で解説します。

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ベタイン系シャンプーとは?

ベタイン系と呼ばれる洗浄成分には、

  • コカミドプロピルベタイン
  • ラウラミドプロピルベタイン

などがあります。

なかでも「コカミドプロピルベタイン」は、多くのシャンプーで見かける成分です。

分類としては「両性界面活性剤」と呼ばれる界面活性剤のひとつ。

シャンプーでは単独で考えるより、ほかの洗浄成分と組み合わせて、泡立ちや洗い心地などを調整するために使われることがあります。

そのため、

「コカミドプロピルベタインが入っている=ベタイン系だけで洗っている」

とは限りません。

成分表で名前を見つけたとしても、まずはシャンプーを構成している成分のひとつとして考えておくといいと思います。

ベタイン系は洗浄力が穏やか?

ベタイン系について調べると、

「低刺激」
「マイルドな洗浄力」
「敏感肌向け」

といった説明をよく見かけます。

実際、コカミドプロピルベタインは、皮膚や眼への刺激性が比較的少ない両性界面活性剤として、シャンプーやボディソープなどに使われています。

僕自身もサロンでさまざまなシャンプーを使ってきましたが、ベタイン系の洗浄成分が使われている商品に対して、強いつっぱり感を感じた経験はあまりありません。

そのため、

「比較的穏やかな洗い心地を作るときに使われる成分なんだろうな」

という印象は持っています。

ただし、ここでも注意したいのが、

ベタイン系が入っている=完成したシャンプーの洗浄力が弱い

とは限らないことです。

シャンプーには複数の洗浄成分が使われることがあります。

どんな成分と組み合わせるのか、どのような処方になっているのかによって、泡立ちも洗い心地も変わります。

「脂性肌だからベタイン系は洗えない」
「乾燥肌だからベタイン系なら大丈夫」

と、ひとつの成分だけで決めなくてもいいと思います。

「低刺激だから誰でも安心」とは言い切れない

以前の僕もそうでしたが、

「低刺激な成分」

と聞くと、つい、

「じゃあ敏感肌でも安心なんだ」

と考えたくなります。

でも、この2つは同じ意味ではありません。

コカミドプロピルベタインは比較的刺激性が少ない成分として使われていますが、接触皮膚炎が報告された例もあります。

これは、ベタイン系が危険な成分という話ではありません。

反対に、

植物由来だから安心
ベビー向け製品にも使われるから誰でも大丈夫

とも言い切れない、ということです。

どんな化粧品成分でも、その人の肌の状態や体質によって合わない可能性はあります。

シャンプーを使って頭皮のかゆみや赤みなどが続く場合は、「低刺激と書いてあるから大丈夫」と我慢して使い続けるのではなく、使用を中止し、症状が続くなら皮膚科などへ相談してください。

昔は「ベタイン系なら安心」と思っていました

ベタイン系などの成分表だけでシャンプーを判断せず、実際の洗い心地や髪質、施術履歴、仕上がりから選ぶ美容師の考え方を示した図解

僕は以前、シャンプーの成分をかなり細かく調べていた時期があります。

そのころは成分表を見て、ベタイン系の名前があると安心していました。

逆に、高級アルコール系と呼ばれる洗浄成分を見ると、

「またおまえかー」

くらいに警戒していたんです。

でも、美容師としていろいろなシャンプーを実際に使ってみると、その考え方では説明できない商品が出てきます。

警戒していた成分が使われていても、

「使ってみたら、まぁ悪くないやん」

ということがある。

反対に、成分表だけなら自分好みに見えても、実際の髪では思った仕上がりにならないこともあります。

そういう経験を重ねるうちに、

成分表はシャンプーを知るためのヒントにはなる。でも、答えそのものではない。

と思うようになりました。

→ シャンプーの良し悪しは洗浄成分だけで決まる?美容師が成分表との付き合い方を解説

アミノ酸系とベタイン系、どちらがいい?

ベタイン系を調べていると、アミノ酸系シャンプーと比較されることもあります。

でも僕は、

「アミノ酸系とベタイン系、どちらが上か」

という選び方をする必要はないと思っています。

実際のシャンプーでは、ひとつの種類だけではなく、複数の洗浄成分が組み合わされていることもあります。

だから、

「アミノ酸系だからいい」
「ベタイン系だから優しい」

ではなく、

そのシャンプー全体として、どんな洗い心地と仕上がりを目指しているのか

を見るほうが実用的です。

アミノ酸系について詳しく知りたい方はこちらで解説しています。

→ アミノ酸系シャンプーとは?美容師が「髪にいい」だけでは選ばない理由

成分表を気にしすぎなくてもいい

お客様から、

「シャンプーを選ぶとき、成分表は何を見ればいいですか?」

と聞かれたら、今の僕なら、

「そこまで気にしすぎなくてもいいと思いますよ」

と答えます。

もちろん、成分を知ることに意味がないわけではありません。

アレルギーなどで避ける必要がある成分が分かっている場合は、確認することも大切です。

ただ、

「シリコンが入っているからダメ」
「パラベンが入っているからダメ」
「ベタイン系だから安心」

というように、ひとつの成分だけで100点か0点かを決める必要はないと思っています。

すべての項目で100点を取れるシャンプーなんてありません。

髪のまとまりを優先したい人もいれば、軽さがほしい人もいる。

毎日スタイリング剤を使う人もいれば、ほとんど何もつけない人もいます。

カラーや縮毛矯正をしている髪と、ほとんど薬剤施術をしていない髪でも、求めたいものは変わります。

大切なのは、成分表で100点を探すことではなく、自分の髪と使い方に合うシャンプーを探すことだと思います。

ベタイン系は「安心マーク」ではなく、ひとつの情報

コカミドプロピルベタインをはじめとするベタイン系の洗浄成分は、比較的マイルドな洗い心地を作るために使われることのある成分です。

だから、成分表を見るときの情報として知っておくことには意味があります。

でも、

ベタイン系だからいいシャンプー。
ベタイン系だから敏感肌でも安心。

そこまで決める必要はありません。

昔の僕は、成分表を見てシャンプーの答えを探していました。

今は、成分表だけでなく、メーカーがどんな商品として作っているのか、実際に使ったときの洗い心地、乾かしたあとの髪、そしてお客様が何を求めているのかまで見て選びます。

成分を知ることは、シャンプー選びの入り口にはなる。

でも、最後に見るのは成分名ではなく、その人の髪。

ベタイン系も、そのくらいの距離感で知っておけば十分だと思います。