「髪質改善と縮毛矯正、私にはどっちがいいですか?」
美容室でも聞かれることのある質問です。
SNSを見ると、髪質改善の投稿にも縮毛矯正の投稿にも、ツヤツヤでまっすぐな髪が並んでいます。
仕上がりだけを見ると、違いが分かりにくいですよね。
でも美容師としては、最初から「髪質改善と縮毛矯正のどちらにしますか?」とは考えません。
まず知りたいのは、
あなたが翌朝、自分で髪を乾かしたときにどうなっていたいか。
クセをしっかり伸ばしたいのか。
ボリュームは残したいのか。
クセよりもパサつきやツヤが気になるのか。
そこが分かってから、髪の状態を見て施術を考えます。
のぶさん
この記事では、髪質改善・縮毛矯正・酸性ストレートの違いと、私が美容室でメニューを考えるときに見ているポイントを紹介します。
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Table of Contents
そもそも「髪質改善」は一つの施術名ではない
まず知っておいてほしいのが、髪質改善という言葉だけでは、具体的な施術内容が分からないということです。
美容室によって、
- トリートメントを中心としたもの
- 酸と熱を利用するもの
- 架橋を利用して質感を整えるもの
- 酸性ストレートなど、クセを伸ばす施術を組み合わせたもの
など、内容はさまざまです。
私のサロンでも、現在「髪質改善」という名前の独立したメニューは置いていません。
カラー施術の中にトステアやレブリン酸などを組み合わせて、カラーと一緒に質感を整える提案をすることがあります。
つまり、同じ「髪質改善」という言葉でも、クセを伸ばすところまで行うのか、クセは残しながらツヤや手触りを整えるのかは、サロンによって違うということです。
だから美容室で髪質改善を予約するときは、
「このメニューはクセも伸びますか?」
「トリートメントが中心ですか?」
と確認してみてもいいと思います。
メニュー名より、何をする施術なのかを見る方が分かりやすいです。
縮毛矯正は「クセを伸ばす」ことが目的
縮毛矯正は、薬剤で髪に働きかけ、アイロンで形を整えたあと、再び薬剤を使って固定していく施術です。
髪質改善との大きな違いは、クセそのものを伸ばして、乾かしただけでもストレートに近い状態を作ることが目的であること。
毎朝ブローしても膨らむ。
アイロンを使っても湿気ですぐ戻る。
クセの影響で希望するヘアスタイルになりにくい。
そんな人にとっては、縮毛矯正が日々のお手入れを大きくラクにしてくれることがあります。
ただし、縮毛矯正をすれば全員が快適になるとも限りません。
まっすぐになりすぎるのが嫌な人もいれば、ボリュームを落としたくない人もいます。
だから私は、クセの強さだけでは決めません。
ストレートパーマと縮毛矯正は違うの?
美容室によって呼び方は違いますが、現在はストレートパーマと縮毛矯正が近い意味で使われていることもあります。
私自身も、お客様から「ストレートにしたい」と言われたら、名前だけで判断せず、
「乾かしただけでサラサラのストレートにしたいですか?」
「クセを完全に伸ばすより、ボリュームを抑えるくらいが希望ですか?」
と確認します。
昔からあるストレートパーマには、薬剤で髪を還元して整え、縮毛矯正のような高温アイロン工程を行わない方法もあります。
一方、現在一般的な縮毛矯正では、薬剤による還元に加えてアイロンによる熱処理を行い、その形を固定していきます。
ただ、読者側がこの技術的な違いをすべて覚える必要はありません。
「どのくらいまっすぐにしたいか」を美容師に伝える方が大切です。
縮毛矯正をするかは「クセの強さ」だけでは決めない
私が縮毛矯正を考えるとき、大きく見るのは3つです。
クセの強さ・希望するヘアスタイル・毎朝かかる手間。
たとえばクセが多少あっても、希望するスタイルならアイロンを軽く通すだけで再現できそうなことがあります。
そんな場合は、一度カットして仕上げまでやってみて、
「これなら家でもできそう」
となれば、その日は縮毛矯正をしないこともあります。
逆に実際にスタイリングしてみて、
「これを毎朝やるのは大変そう」
となれば、後日縮毛矯正をする。
そんな決め方でもいいと思っています。
→ クセの強さや、カット・アイロンで扱えるケースについては「くせ毛はなぜうねる?美容師が教える原因と『伸ばす・活かす』の考え方」で詳しく解説しています。
縮毛矯正は「年間の手間とコスト」まで考えてみる
縮毛矯正は、一度施術したらそれで終わりとは限りません。
髪が伸びれば、根元からは自分のクセが出てきます。
クセの強さや髪型によりますが、私のお客様では年に2〜3回ほど施術する方もいます。
そうなると考えたいのは、料金だけではありません。
美容室で過ごす時間も必要ですし、梅雨前にしておきたい、旅行前にきれいにしておきたい、大切なイベントには根元のクセを気にせず参加したい、ということもあります。
縮毛矯正は、その日の仕上がりだけでなく年間の美容室スケジュールにも関わる施術です。
だから私は、コスト感についても確認することがあります。
少しアイロンを使えば十分なのか。
定期的に美容室で縮毛矯正をして、毎朝をラクにしたいのか。
どちらが快適かは、その人の生活によって変わります。
髪質改善系が向いているのはどんな人?
では、縮毛矯正ではなく髪質改善系の施術を考えるのはどんなときでしょう。
私なら、
「クセを完全に伸ばしたいわけではない」
「ぺったんこにしたくない」
「パサつきや手触りを整えたい」
「ツヤをきれいに見せたい」
「いかにも縮毛矯正をしました、という質感にはしたくない」
という希望があれば、髪質を整える施術から考えることがあります。
特に年齢とともに髪が細くなり、一本一本のうねりやパサつきが混ざって、以前よりツヤが出にくくなった髪では、クセを全部伸ばすことだけが選択肢ではありません。
髪の状態を見ながら、カラーと一緒に質感を整えたり、トリートメント系の施術を組み合わせたりすることもあります。
ただし、ここでも「髪質改善ならこうなる」と一律には言えません。
使う薬剤や施術方法によって、仕上がりも持続も変わります。
髪質改善は「傷まない施術」ではない
髪質改善という名前から、
「髪を良くするものだから、ダメージはない」
という印象を持つかもしれません。
でも私は、髪質改善=ノーダメージとは考えていません。
たとえば酸と熱を利用するタイプの施術では、髪の状態や薬剤の使い方によっては、仕上がりに硬さやきしみを感じることがあります。
美容師側も、以前どんな施術をしているのか、今の髪がどのくらい体力を残しているのかを見ながら調整する必要があります。
これは縮毛矯正も同じです。
きれいにするための薬剤や熱も、使い方が合っていなければ髪への負担になります。
のぶさん
自然なストレートなら「酸性ストレート」という選択肢も
「クセは伸ばしたい。でも、まっすぐすぎるのは嫌」
そんな希望なら、酸性ストレートを提案することもあります。
酸性〜低アルカリ領域の薬剤を使いながらクセを伸ばしていく方法で、髪の状態や希望によっては、従来のアルカリ性の縮毛矯正より自然な質感を狙いやすいことがあります。
ただし、酸性だから傷まない、誰にでも向いている、という意味ではありません。
クセの強さ、ダメージ履歴、カラーやブリーチの有無などを見ながら、薬剤と施術方法を選ぶ必要があります。
私の場合、
自然な素髪のようなストレート感が欲しいなら酸性ストレート。
そこにもう少し分かりやすいツヤや手触りが欲しければ、質感調整のトリートメントを組み合わせる。
という提案をすることもあります。
「縮毛矯正か髪質改善か」の二択だけで考えなくてもいいんです。
SNSのツヤツヤ髪は「翌朝」まで想像してみて
SNSで見る髪質改善の写真は、本当にきれいです。
ただ、写真だけでは、
縮毛矯正をしているのか。
酸性ストレートなのか。
トリートメント中心なのか。
最後にアイロンで仕上げた状態なのか。
そこまで分からないことがあります。
だから写真を美容師に見せること自体は大歓迎ですが、私はその仕上がりで毎日どう過ごしたいのかも一緒に聞きたいです。
乾かしただけで、しっかりまっすぐになってほしい。
少しくらいアイロンを使ってもいいから、自然な丸みは残したい。
トップがぺったんこになるのは嫌。
クセよりツヤと手触りをきれいにしたい。
ここまで分かれば、選ぶ施術はかなり変わります。
髪質改善か縮毛矯正か。メニュー名より「どうなりたいか」

美容室のメニューには、いろいろな名前があります。
髪質改善、酸熱トリートメント、酸性ストレート、縮毛矯正、ストレートパーマ。
初めて見る人が全部の違いを理解するのは、かなり難しいと思います。
だから、無理にメニューを決めてから美容室へ行かなくても大丈夫です。
「クセを伸ばしたい」
「ツヤが欲しい」
「ぺったんこにはしたくない」
「朝のアイロンをやめたい」
「自然に見えるくらいがいい」
これをそのまま伝えてください。
美容室を出る瞬間だけツヤツヤならいいのではなく、翌朝、自分で髪を乾かしたときにどうなっていたいか。
そこから逆算して、薬剤や施術方法を考えるのが美容師の仕事です。
のぶさん
メニュー名に合わせて髪を変えるのではなく、なりたい髪に合わせてメニューを選ぶ。
そのくらいの考え方で、美容師に相談してみてください。

