「トリートメントをしているのに、髪がパサつく」
「美容室ではまとまっていたのに、最近なんだか広がる」
「オイルをつけても、毛先がきれいに見えない」
美容室でもよく聞く悩みです。
でも、お客様から「髪がパサつくんです」と相談されても、僕は最初からトリートメントの話をするとは限りません。
最後にカットしたのはいつか。
普段アイロンを使っているか。
ちゃんとドライヤーで乾かしているか。
どんなスタイルにしているか。
まずはそんなところから見ていきます。
なぜなら、ひとことで「パサつき」といっても、原因はひとつではないからです。
パサつく=もっとしっとりするものを使う
ではなく、
「なぜ今、パサついて見えるのか?」
そこを整理するところから始めてみましょう。
この記事には広告・P Rを含みます。アフィリエイト広告を使用しています。
Table of Contents
「パサつく」は乾燥だけではありません
パサつきというと「髪の水分が足りない」と考えがちです。
もちろん、髪の状態によっては乾燥も関係します。
ただ、美容師がお客様から「パサつく」と相談されたとき、実際に見ている状態はもっといろいろあります。
毛先に枝毛が増えている。
切れ毛が混ざってスカスカしている。
表面の短い毛がバラバラに動いている。
うねりやハネで毛流れが整っていない。
カットしてから時間が経って、髪型そのものが崩れている。
こうした状態も、お客様からすると全部まとめて「パサつく」と感じることがあります。
だから、トリートメントを買い替える前に、
髪そのものが傷んでいるのか。それとも、まとまりが悪くなってパサついて見えているのか。
まずはここを分けて考えてみると、対策が見つけやすくなります。
原因1|しばらくカットしていない

僕が最初に確認したいことのひとつが、
「最後にカットしたのはいつですか?」
です。
数か月、場合によっては半年くらいカットしていない。
そんな場合は、トリートメントを変えるより、カットと毛量調整で扱いやすくなることがあります。
これは単に「毛先が傷んだから切りましょう」という話ではありません。
カットした直後は、レイヤーや毛量の位置が頭の丸みに合わせて設計されています。
ところが髪が伸びると、その位置も少しずつ下へ移動します。
以前に毛量調整した部分と、その後に伸びてきた毛量調整されていない部分が混ざり、髪の中に軽さのムラができることもあります。
すると場所によって、
- うねり方が違う
- 毛先がハネる
- 一部分だけ膨らむ
- 毛先がバラバラに見える
といったことが起こります。
僕はこれを、サイズの合っていない洋服に似ていると思っています。
サイズの違う服を着ると、袖や脇などに生地が余って、不自然な「たまり」ができますよね。
髪型も同じで、カットしたときには頭の丸みにフィットしていたものが、伸びることで少しずつ合わなくなっていきます。
そこへ毛先の枝毛なども加わると、余計にパサついて見えます。
この場合、必要なのは「もっと重いトリートメント」ではなく、まず髪型のバランスを整えることかもしれません。
原因2|アイロンの熱と摩擦が重なっている
次に確認したいのが、ヘアアイロンの使い方です。
アイロンをよく使う人の毛先を触ると、
- 毛先に硬さがある
- 弾力が少なく感じる
- 切れ毛が混ざっている
- 毛先がスカスカして見える
といった状態になっていることがあります。
毛髪は日常生活の中でも少しずつ摩耗していきます。
特に毛先は、根元に比べて長い期間、ブラッシングや摩擦、熱などの影響を受けてきた部分です。
そこへ毎日のアイロンが加われば、負担も積み重なります。
だから僕は、
「何度なら傷まないか」だけではなく、どう使っているか
を確認します。
低い温度でも同じところを何度も通していないか。
一度にたくさんの髪を挟んでいないか。
必要以上に長く熱を当てていないか。
パサつきが気になるなら、トリートメントを足すだけではなく、毎日のアイロンの使い方も一度見直してみてください。
→ ヘアアイロンは何度がいい?美容師が「低温なら傷まない」とは言えない理由
原因3|レイヤースタイルだからパサついて見えることもある
髪の傷みだけではなく、ヘアスタイルによってパサつきが目立ちやすいこともあります。
たとえば、レイヤーを多く入れたスタイル。
レイヤーが入ると、髪の表面にも短い毛先がたくさん出てきます。
その毛先が動くことで軽さや立体感が出るのがレイヤースタイルの魅力ですが、反対に、毛先のまとまりが悪くなると表面全体がパサついて見えやすくなります。
さらにカットから時間が経ってウェイトの位置がズレると、不自然なハネやたまりも出てきます。
つまり、
髪が傷んだからパサついているのではなく、スタイルの形が崩れてパサついて見えている。
そんなケースもあります。
最近急にまとまりにくくなったなら、ヘアケア用品を買い足す前に、一度カットの状態を見てもらうのも方法です。
原因4|ドライヤーをしていない・乾かし方が合っていない

次に僕が聞くのが、
「夜、ドライヤーしていますか?」
です。
ここで大切なのは、「自然乾燥は絶対ダメ」と決めつけることではありません。
僕がお客様に説明するときは、実際に髪を触りながら話すことがあります。
髪が内巻きに収まりやすい状態では、根元が自然に立ち上がっています。
そこで根元を手で少し押さえてみる。
すると、
「ほら、毛先がちょっとハネません?」
となることがあります。
毛先だけを一生懸命内巻きにしようとしても、根元の向きや立ち上がりが整っていなければ、毛先は収まりにくくなります。
だからドライヤーは、単に濡れた髪から水分を飛ばすだけではありません。
根元から髪の方向を整えて、毛先が収まりやすい土台を作る。
これも大切な役割です。
まず根元から乾かして、最後に毛流れを整える。
難しいブローをしなくても、これだけで見え方が変わることがあります。
また、濡れた毛髪は物理的な負担を受けやすいため、濡れたまま長時間こすったり、そのまま寝たりすることも避けたいところです。
ただし、ドライヤーも高温を近距離から長時間当て続ければ負担になります。
近づけすぎず、一か所に熱を集中させずに乾かしましょう。
原因5|ホームケアが「足りない」とは限らない
パサつきの相談を受けても、僕はいきなり、
「シャンプーは何を使っていますか?」
とは聞かないことがあります。
ほとんどの人は毎日シャンプーもトリートメントもしていますし、自分なりに納得した商品を選んでいるはずです。
そこでいきなり、
「そのシャンプーが良くないですね」
と言われたら、今までやってきたケアを否定されたように感じるかもしれません。
だから僕なら、
ドライヤーをしているか。
どうやって乾かしているか。
そして、
洗い流さないトリートメントまで使っているか。
そんなところから、普段どのくらいホームケアをしているのか確認します。
アウトバストリートメントを使っていないからダメ、という意味ではありません。
すでに十分ケアしている人なのか。
もう少しできることがあるのか。
それを知りたいからです。
もし毛先の乾燥や摩擦が気になるなら、ミルクやオイルなどのアウトバストリートメントを追加するのもひとつの方法です。
→ 洗い流さないトリートメントはオイル・ミルク・ミストどれ?美容師が選び方と使い方を解説
原因6|シャンプーやトリートメントが今の髪に合わなくなっている
ここまで確認して、それでもまとまりにくい。
そんなときは、シャンプーやトリートメントを見直してもいいと思います。
年齢やカラー履歴、髪型が変われば、求める仕上がりも変わります。
以前はちょうどよかったものが、
「最近ちょっと軽すぎる」
「乾かすと広がる」
「反対に、しっとりしすぎてトップがつぶれる」
ということもあります。
特に40代、50代では、髪の太さや表面状態、毛流れなどに変化が現れることが報告されています。
「昔からこれを使っているから」ではなく、今の髪に合っているかで選び直してもいい時期です。
ただし、
「パサつくなら、とにかくしっとりタイプ」
とも限りません。
細い髪に重すぎるものを使えば、ボリュームがなくなってしまうこともあります。
うねりが強いのか。
毛先のダメージが強いのか。
髪が細いのか太いのか。
欲しいのは、しっとり感なのか軽いまとまりなのか。
ここまで考えると、選びやすくなります。
→ パサつく髪のシャンプー選び|大人女性は何を基準に選ぶ?
白髪染めやカラーは原因にならないの?
もちろん、カラーやブリーチなどの化学処理は毛髪に負担を与えます。
特にブリーチや、毛先まで繰り返し薬剤を作用させている髪では、ダメージを考える必要があります。
ただ、美容室で「最近パサつく」と相談されたときに、僕はカラーだけを原因と決めつけることはあまりありません。
カットしてからどのくらい経っているのか。
毎日アイロンを使っていないか。
どう乾かしているのか。
スタイルのバランスは崩れていないか。
それらが重なっていることも多いからです。
「白髪染めしているから仕方ない」と諦める必要もなければ、すぐにカラーをやめる必要もありません。
気になるなら、美容師にカラー履歴も含めて髪全体を見てもらいましょう。
まず何から見直す?美容師ならこの順番で考えます
ここまで読むと、
「結局、私は何をしたらいいの?」
となりますよね。
僕なら、こんな順番で考えます。
1|最後にカットした時期を思い出す
しばらくカットしていないなら、まず髪型のバランスを確認します。
毛先の枝毛だけでなく、レイヤーや毛量調整の位置がズレている可能性もあります。
2|アイロンの使い方を確認する
毎日使っているなら、温度だけでなく、通す回数や毛束の量も見直します。
毛先が硬く、弾力がなく、切れ毛が混ざってスカスカしているなら、熱や摩擦の蓄積も疑います。
3|ちゃんと乾かしているか確認する
まず根元を乾かし、毛先が自然に収まりやすい土台を作ります。
4|普段どこまでケアしているか確認する
必要ならアウトバストリートメントなどを追加します。
5|それでも気になるなら、シャンプーやトリートメントを見直す
ここまでやって初めて、商品を変える選択肢を考えても遅くありません。
そして、
「シャンプーとトリートメント、両方変えるのはちょっと……」
という場合は、僕なら基本的にシャンプーからおすすめしています。
→ シャンプーとトリートメント、どっちにお金をかける?美容師ならまずシャンプーをすすめる理由
高いヘアケア商品を買う前に、原因を整理しよう
パサつきが気になると、
「もっといいトリートメントを買おう」
「もっとしっとりするシャンプーにしよう」
と、何かを足したくなります。
でも、今回紹介したように、
カットすれば扱いやすくなる人もいます。
アイロンの使い方を変えたほうがいい人もいます。
乾かし方だけでまとまりやすくなる人もいます。
そのうえで、シャンプーやトリートメントを変えたほうがいい人もいます。
だから僕は、最初から高価な商品を買う必要はないと思っています。
美容室で商品をおすすめするときも、その人に合うものがいくつかあるなら、まずは無理なく続けられる価格のものから考えます。
ヘアケアは、一度だけ頑張るものではなく毎日のことだからです。
まとめ|「パサつく=トリートメント不足」ではありません
髪のパサつきは、ひとつの原因だけで起きているとは限りません。
髪そのものがダメージしていることもあれば、
カットのバランスが崩れている。
レイヤーの毛先が表面に出ている。
アイロンの熱や摩擦が重なっている。
根元がうまく乾かせていない。
今の髪にヘアケアが合わなくなっている。
そんなことが重なって「パサつく」と感じている場合もあります。
だから、
何を買えばいいかを考える前に、なぜパサついているのかを整理する。
最後にカットしたのはいつだろう。
アイロンを使いすぎていないかな。
ちゃんと根元から乾かしているかな。
そこから始めてみてください。
そして、ホームケアを見直したほうがよさそうなら、次は「パサつく髪にはどんなシャンプーを選べばいいのか」を考えていきましょう。
→ パサつく髪のシャンプー選び|大人女性は何を基準に選ぶ?
