美容室で仕事をしていると、
「シャンプーとトリートメント、どっちにお金をかけたほうがいいですか?」
と聞かれることがあります。
本当は両方とも役割が違うので、「こっちだけ大事」とは言えません。
でも、
「両方いいものに変えるのは予算的にちょっと……」
という話なら、僕はまずシャンプーから変えてみることをおすすめします。
理由は「高いシャンプーのほうが髪にいいから」ではありません。
美容師としていろいろなお客様を見てきて、シャンプーを変えたほうが違いを実感してもらいやすいと感じているからです。
今回は、シャンプーとトリートメントのどちらから変えるか迷っている人へ、僕なりの考え方をお話しします。
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Table of Contents
シャンプーとトリートメント、そもそも役割が違う
まず、「どちらが大事?」という質問には少し難しいところがあります。
シャンプーとトリートメントは、そもそも役割が違うからです。
シャンプーの基本的な役割は、髪や頭皮についた皮脂、汗、ほこり、スタイリング剤などを洗い流して清潔にすること。
ただ、現在のシャンプーは「汚れが落ちればいい」というだけではありません。
泡立ちや洗っているときの指通り、すすぎやすさ、洗い上がり、乾かしたあとのまとまりなど、さまざまなことを考えて作られています。
一方、トリートメントは髪の状態を整えたり、すべりをよくしたり、ダメージをケアしたり、仕上がりの質感を調整したりする役割があります。
つまり、
洗うシャンプーと、整えるトリートメント。
本来なら、どちらか一方だけが大事というものではありません。
→ リンス・コンディショナー・トリートメントの違いは?美容師が「結局どれを使えばいい?」に答えます
それでも一つなら、僕はシャンプーをすすめます
では、
「予算的にどちらか一つだけ変えるなら?」
と聞かれたらどうするか。
僕なら、基本的にはシャンプーをすすめます。
これは研究結果や成分表から出した答えではなく、美容師としてお客様を見てきた経験から感じていることです。
トリートメントは、比較的リーズナブルな商品でも、流した直後には髪がなめらかになって「いい感じ」と感じるものがたくさんあります。
そのため、商品を変えても違いが分かりにくいことがあります。
シャンプーは少し違います。
泡立ち。
洗っている途中の指通り。
すすいだときの感触。
そして、乾かしたあとの仕上がり。
使い始めてから髪を乾かすまで、違いを感じるポイントがいくつもあります。
だから僕の経験では、どちらか一つを変えるなら、シャンプーを変えたほうが満足してもらえることが多いです。
一番違いを感じてもらいやすいのは「乾かしたあとのまとまり」
「いいシャンプーなら泡立ちが全然違うんですか?」
と思うかもしれません。
もちろん、泡立ちや洗っている途中の指通りに違いを感じることもあります。
でも僕がお客様から聞いていて、特に違いを感じてもらいやすいと思うのは、
乾かしたあとの髪のまとまりです。
「前より扱いやすい」
「なんとなくまとまりやすくなった」
そんな変化ですね。
毎日のヘアケアでは、成分表を見て「この成分が入っている」と分かることよりも、
朝の髪が扱いやすい。
乾かしたあとにまとまりやすい。
洗っているときにストレスが少ない。
そういう実感のほうが大切だと思っています。
ダメージ毛でもシャンプーから?
ブリーチをしている。
カラーを繰り返している。
毛先が乾燥している。
こういう人なら、
「トリートメントを先に変えたほうがいいのでは?」
と思うかもしれません。
もちろん、ダメージした髪にトリートメントは大切です。
髪のすべりをよくしたり、パサつきを抑えたり、髪の質感を整えたりする役割があります。
それでも、
「どちらか一つだけ」
という条件なら、僕は基本的にはシャンプーから考えます。
シャンプーは毎日のように使いますし、洗っているときから乾かしたあとまで、髪の扱いやすさに関わるアイテムだからです。
そのうえで毛先のダメージが気になるなら、今使っているトリートメントを併用したり、洗い流さないトリートメントを取り入れたりして調整してもいいでしょう。
→ 洗い流さないトリートメントはオイル・ミルク・ミストどれ?美容師が選び方と使い方を解説
シャンプーだけサロン品、トリートメントは市販品でもいい?
僕は問題ないと思っています。
シャンプーとトリートメントを同じシリーズでそろえたほうが、そのメーカーが狙っている仕上がりを作りやすいことはあります。
でも、
必ずライン使いしなければいけないわけではありません。
シャンプーだけ美容室で買って、トリートメントは今まで使っていたものを使う。
それでもいいと思います。
逆に、今使っているシャンプーに満足しているなら、無理に変える必要もありません。
ヘアケア用品は毎日使うものです。
一度だけ高いものを買うことより、自分が納得して続けられることのほうが大切だと僕は考えています。
美容室で選ぶなら「合うものの中で一番リーズナブル」からでもいい
では、美容室でシャンプーを買うなら、高いものほどいいのでしょうか。
僕はそうは考えていません。
お店で相談してもらった場合も、まずその人の髪質やダメージ、求める仕上がりを見ます。
そのうえで何種類か合いそうな商品があるなら、まずは一番リーズナブルなものからおすすめすることもあります。
それで十分満足できるなら、それでいいんです。
もっとしっとりさせたい。
ダメージケアを重視したい。
頭皮もケアしたい。
そんな希望が出てきたときに、必要なら次の選択肢を考えればいい。
最初から一番高いものを選ぶ必要はありません。
美容室でシャンプーを選ぶメリットは、高級な商品を買うことではなく、
自分の髪を実際に見ている美容師と相談しながら選べること
だと思っています。
「高いシャンプー=いいシャンプー」でもありません
ここも勘違いしてほしくないところです。
価格が高ければ、自分の髪に合うとは限りません。
また、
「アミノ酸系だからいい」
「この成分が入っているからいい」
「サロン専売品だからいい」
と、ひとつの条件だけで決められるものでもありません。
シャンプーは洗浄成分だけでなく、コンディショニング成分やケア成分などを組み合わせて、ひとつの商品として作られています。
大切なのは、成分ひとつを採点することではなく、
自分の髪に合っていて、求めている仕上がりになるかどうか。
そして毎日無理なく使い続けられる価格かどうかです。
→ アミノ酸系シャンプーとは?美容師が「髪にいい」だけでは選ばない理由
まとめ|迷ったら、まずシャンプーを変えてみる
シャンプーとトリートメントは役割が違うので、本来なら「どちらが大事」と順位をつけるものではありません。
でも、
「両方変えるのは大変だから、まず一つだけ変えてみたい」
という相談なら、僕はシャンプーからおすすめします。
美容師としてお客様を見てきた経験上、泡立ちや指通りだけでなく、特に乾かしたあとのまとまりまで含めて、違いを感じてもらいやすいからです。
だからといって、高級なシャンプーを買う必要も、シャンプーとトリートメントを同じシリーズで全部そろえる必要もありません。
髪に合っている。
使っていて納得できる。
無理なく続けられる。
ヘアケアは、そのバランスが大切です。
もし美容室で相談するなら、
「全部変えるのは難しいので、まず一つならどれがいいですか?」
と聞いてみてください。
僕なら、その人の髪に合うものの中から、まず続けやすいものを一緒に探します。

