ヘアアイロンって、何度で使えば髪が傷まないんですか?
美容師をしていると、ときどき聞かれる質問です。
140℃なら大丈夫?
160℃くらい?
180℃は高すぎる?
数字で答えが決まっていたら分かりやすいのですが、僕は**「この温度なら髪が傷まない」という使い方はない**と考えています。
髪は熱にも摩擦にも弱いものです。
ヘアアイロンを使う以上、「まったくダメージさせない温度」を探すというより、必要以上に熱を与えず、できるだけ少ない負担で仕上げることを考えたほうが現実的です。
この記事では、僕が美容室で実際に使っている温度の目安と、自宅でヘアアイロンを使うときに気をつけてほしいポイントを紹介します。
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Table of Contents
ヘアアイロンは何度がいい?

まず、僕がサロンワークでストレートアイロンを使うときの温度を目安として紹介します。
- 健康毛なら 180℃前後
- ダメージが気になる髪で、クセがそれほど強くなければ 160℃前後
- ブリーチ毛なら 140〜160℃程度で、ツヤを整えるくらい軽く
もちろん、これは「この温度なら傷まない」という意味ではありません。
同じ180℃でも、髪の太さやクセ、カラーや縮毛矯正などの履歴、その日の髪の状態によって使い方は変わります。
ブリーチ毛にアイロンを使うときは特に慎重です。
クセをしっかり伸ばそうと何度も熱を加えるというより、僕の場合は低めの温度で、仕上げのツヤを出す程度に軽く通すことが多くなります。
温度は答えではなく、その髪に合わせて調整するもの。
まずは、そう考えてもらうといいと思います。
「低温なら傷まない」とも限らない

髪のダメージが気になると、
「じゃあ120℃くらいまで下げれば安心なのでは?」
と思うかもしれません。
もちろん、必要以上に高い温度を使わないことは大切です。
でも、温度を下げた結果、
「クセが伸びないから、もう一回」
「まだ伸びないから、もう一回」
と同じところを5回、6回と通してしまったらどうでしょう。
低温だから何回通しても大丈夫、とは言えません。
アイロンを通した直後の毛束は、かなり熱を持っています。
美容師でも、アイロンを通した直後の毛束に触れて「熱っ」となることがあります。
そこへ何度もアイロンを重ねれば、それだけ長い時間、髪を熱にさらすことになります。
温度だけではなく、熱を当てる時間や回数まで含めて考える。
これが、自宅でアイロンを使うときにも意識してほしいポイントです。
一度にたくさんの髪を挟まない
自宅でアイロンを使っている方を見ていて、もうひとつ気になるのが一度に取る毛束の量です。
一気にたくさん挟んだほうが早く終わりそうですよね。
でも、毛束を取りすぎると、逆にアイロンが決まりにくくなります。
横幅を広く取りすぎると、根元をきちんとプレートで挟みにくくなります。
その結果、
- 根元が伸びない
- 根元に変なクセがつく
- 伸びていない部分だけ、もう一度アイロンする
といったことが起こりやすくなります。
毛束が厚すぎる場合も同じです。
表面には熱が加わっていても、内側まで十分に熱が伝わりにくくなり、「伸びないからもう一回」とアイロンを重ねる原因になります。
僕がおすすめしている目安は、アイロンを一番開いたときの幅・厚みの半分くらいに収まる毛束です。
一度に欲張ってたくさん挟むより、アイロンできちんと挟める量を取る。
そのほうが、一回一回をきれいに仕上げやすくなります。
同じところに長くアイロンを止めない
毛束を挟んだまま、同じ場所でアイロンを止めるのも避けたい使い方です。
「クセが強いから、ここだけしっかり熱を当てよう」
と止めたくなることがありますが、その部分には集中的に熱が加わります。
特に前髪や顔まわりは毎日アイロンする方も多く、同じ場所へ熱を重ねやすい部分です。
きれいにしたくてアイロンしているのに、毛先がパサついたり、硬くなったり、切れやすくなったりしては本末転倒です。
一か所に長く当てるより、適切な毛束を取ってスムーズに通す。
うまく伸びないからと同じところを何度も往復する場合は、温度だけでなく、毛束の取り方も一度見直してみてください。
アイロン前のケア剤も上手に使う
毎日のようにヘアアイロンを使う方には、熱から髪を守ることを考えたヘアケア剤を取り入れるのもおすすめしています。
ヘアオイルやミルク、ミストなどには、アイロンやドライヤーの熱を想定して作られた商品があります。
ただし、
「何かをつければ、高温で何回アイロンしても大丈夫」
というものではありません。
また、アイロン前に使用できるかどうかは商品によって違います。
「ドライヤー前に使用」と書かれているものもあれば、乾いた髪へのアイロン前に使えるものもあります。
使用するタイミングや量は、その商品の説明に従ってください。
そして、ストレートアイロンは基本的に乾いた髪へ使用します。
濡れた髪や水分が多く残った状態へ高温のアイロンを使うのは避けましょう。
アイロン前後のケアに使うオイル・ミルク・ミストの違いについては、こちらで詳しく紹介しています。
→ 洗い流さないトリートメントはオイル・ミルク・ミストどれ?美容師が選び方と使い方を解説
アイロンの前に、まず髪をきちんと乾かしておくことも大切です。
→ ドライヤー・髪の乾かし方についてはこちら
毎日アイロンするなら「温度」だけを見ない
ヘアアイロンのダメージを減らそうとすると、どうしても、
「何度なら大丈夫?」
という数字に目が行きます。
でも僕が実際にサロンでアイロンを使うときに見ているのは、温度だけではありません。
髪の状態 × 温度 × 毛束の量 × 当てる時間 × 通す回数
をまとめて考えています。
たとえば健康毛なら180℃を使うことがあります。
だからといって、180℃で何度も往復していいわけではありません。
逆に120℃まで下げても、クセが伸びずに何度も同じ場所へ熱を加えているなら、それだけで「髪にやさしい使い方」とは言い切れません。
温度を必要以上に上げない。
でも、低温だからと安心して何度も通さない。
その髪に必要な温度で、必要なところへ、できるだけ少ない回数で仕上げる。
僕は、そのほうが実際のアイロン操作では大切だと考えています。
ブリーチ毛や強くダメージした髪は特に慎重に
カラーを繰り返している髪や、特にブリーチをしている髪では、アイロンの使い方にも注意が必要です。
僕自身、ブリーチ毛にアイロンを使う場合は140〜160℃程度を目安にしながら、ツヤを整えるくらいに軽く通します。
ただ、これも「ブリーチ毛なら160℃までは安全」という意味ではありません。
髪のダメージは一人ひとり違います。
ブリーチ回数だけでなく、その後のカラー、縮毛矯正などの施術履歴、普段のアイロン頻度によっても状態は変わります。
毛先がかなり弱っている。
アイロンすると髪が引っかかる。
切れ毛が増えている。
そんなときは、「何度にすれば使えるか」を考えるより、いったん使用頻度を減らしたり、美容師に髪の状態を見てもらったりすることも選択肢です。
何度なら傷まない?ではなく、どう使うか
ヘアアイロンは、毎日のスタイリングをとても楽にしてくれる道具です。
僕自身、美容室でも180℃前後を使うことがあります。
だから、高温だからすべてダメ、低温だからすべて安心、と考える必要はありません。
ただし、髪に熱を加えていること自体は忘れないでほしいと思います。
毛束を取りすぎない。
同じ場所へ何度も通さない。
長時間挟んだままにしない。
必要なら熱から守るためのケア剤も取り入れる。
そして、髪のダメージに合わせて温度を調整する。
「傷まない温度」をひとつ覚えるより、こうした使い方を覚えておくほうが、毎日のスタイリングでは役に立ちます。
ヘアアイロンは、怖がって使わないためのものでも、温度だけを信じて使うものでもありません。
自分の髪の状態を見ながら、必要な熱を、必要なだけ。
それくらいの付き合い方がちょうどいいと思います。

